ヘンリー・カヴィル、スタントへの意欲はトム・クルーズのおかげ「許されるかぎり自分でやりたい」

DC映画のスーパーマン役で知られるヘンリー・カヴィルは、Netflixドラマ「ウィッチャー」(2019-)で主人公の“リヴィアのゲラルト”を演じ、再びアクションに挑んでいる。肉体派アクションスターとしての顔も魅力のひとつであるヘンリーは、「ウィッチャー」でも多くのスタントに自ら挑戦。その背景には、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(2018)で共演したトム・クルーズの存在があった。

米Varietyの対談企画「Actors on Actors」に登場したヘンリーは、『X-MEN』シリーズでプロフェッサーX役を演じてきた名優パトリック・スチュワートを相手に、自分がスタントを演じることの重要性を語っている。
「スタントだったり、身体を使う演技はいつも楽しんでいます。(『ミッション:インポッシブル』で)トム・クルーズとご一緒したことがすごく役に立ちました。プロデューサーからすれば、僕がスタントを楽しんでるのは厄介なのかもしれないですけど、僕は自分でやりたい。それがキャラクターにとっては欠かせないものだと思うから。」
トム・クルーズはCGではなく実写撮影でのアクションにこだわり、『ミッション:インポッシブル』シリーズではほぼ全てのスタントに自ら挑戦。『トップガン:マーヴェリック』では空中アクションを実写で撮るため、若手俳優の訓練カリキュラムを自ら考案したともいわれている。主演映画では自らプロデューサーを兼任してスタントの可能性を広げてもおり、自ら宇宙に飛び出してのアクション映画に挑むことも判明済みだ。
徹底した実写撮影にせよ、自らスタントを演じることにせよ、きっとトムが求めているものは“本物”ならではのリアリティだろう。『フォールアウト』で情熱を目の当たりにしたゆえだろうか、ヘンリーも「ウィッチャー」では自らのリアリティを大切にしているようだ。ヘンリーは「ゲラルトを見てもらう時は、それが僕自身だと信じてもらわなければいけません。もし信じてもらえないとしたら、それは役柄に対する裏切りだと思う」と語り、「だから許されるかぎり自分でやりたいんです」と語っているのだ。
ちなみにパトリック・スチュワートは、熱のこもったヘンリーの言葉にうなずきつつ、「以前は舞台上で戦うのが好きだったけれど、ある時から好きじゃなくなった」と振り返っている。1972年、出演舞台『コリオレイナス』の剣闘シーンで相手の剣が壊れた時、とっさに相手役の俳優が、壊れたままの剣を自分に投げつけたのだ。「私がよけたら剣が観客に当たって、それでケガをされたと思うんです。その時から舞台で戦うことにだんだん興味がなくなった。よけられなかったら自分に剣が刺さるんだと思うと怖くなったから」。昔話を笑いながら語ったパトリックだが、これはなかなか笑いづらいエピソードである。
Source: Variety