クリント・イーストウッドの監督最新作が始動、引退作との報道も ─ ニコラス・ホルト&トニ・コレットが出演交渉中

俳優・映画監督のレジェンド、クリント・イーストウッドの新作映画『Juror No.2(原題)』が始動したことがわかった。米The Hollywood Reporterなどが報じている。
『ダーティハリー』シリーズや『許されざる者』(1992)『マディソン郡の橋』(1995)『ミスティック・リバー』(2003)『ミリオンダラー・ベイビー』(2004)『グラン・トリノ』(2008)『アメリカン・スナイパー』(2014)など、数えきれないほどの名作・話題作を送り出してきたイーストウッドにとって、本作は一部で“引退作”とも報じられる一本だ(正式発表はなされていない)。
今年(2023年)に御年93歳を迎える巨匠が新作の題材に選んだのは、ある殺人事件をめぐる裁判の物語。陪審員に選ばれた男は、裁判が進むうち、被害者を死なせてしまったのは、実はその現場で危険な運転をしていた自分だったのではないかと気づく。真実を明かすか、それとも自分を守るために話し合いをうまく進めるか……。男は、自分に疑いがかからぬように被告を守ろうと動き出す。
主人公となる陪審員の男性役には『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)『ザ・メニュー』(2022)のニコラス・ホルト、検察官役には『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(2019)『ヘレディタリー/継承』(2018)のトニ・コレットが出演交渉中とのこと。イーストウッドは数ヶ月間にわたって理想の俳優を探しており、2人と数週間の話し合いを経て、正式に出演オファーを出したとされる。
製作・配給は、イーストウッド作品を長年手がけてきた米ワーナー・ブラザース。2023年6月中旬の撮影開始を目指して準備が進められており、まもなく正式なゴーサインが出ると伝えられている。新企業ワーナー・ブラザース・ディスカバリーのデヴィッド・ザスラフCEOは、イーストウッド監督の前作『クライ・マッチョ』(2021)を劇場公開したことに立腹したとも伝えられているが、新作はビジネス的にも良い落とし所が見つかったのだろう。
脚本を執筆したのは、これが長編映画デビューとなるジョナサン・エイブラムス。報道によると、イーストウッドは「胸を張って引退を迎えられる」企画を探しており、エイブラムスによる脚本を気に入ったという。製作にはイーストウッドのほか、『トムとジェリー』(2021)のアダム・グッドマン、イーストウッド作品を手がけてきたティム・ムーアのほか、マット・スキエナ、ジェシカ・マイヤー。製作総指揮はエレン・ゴールドスミス=ヴァイン&ジェレミー・ベルが務める。
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Source: The Hollywood Reporter, Deadline