『キャプテン・マーベル』猫のグース、出番の約70%がCGだった ─ 監督も見分けられない、驚愕の完成度

マーベル・シネマティック・ユニバース作品『キャプテン・マーベル』における“最重要キャラクター”のひとり…いや、一匹が、劇場公開前のプロモーションから強力にアピールされていた猫のグースだ。海外試写評の時点で「猫好きはこの映画が大好きになる」「猫のグースに視線をもっていかれる」と観客の心をつかみすぎるほどつかんでしまったグースは、いまや世界中の観客を魅了している。
しかし驚くべきことに、本編に登場するグースはほとんどCGだったという事実が明らかになった。視覚効果スーパーバイザーのクリストファー・タウンゼンド氏が米HuffPostにて語っている。
監督すら見分けられない、驚愕の「CGグース」
『キャプテン・マーベル』でグースを演じていたのは、実際には4匹の猫。特に活躍したのがレジーという名前の猫で、ニック・フューリー役のサミュエル・L・ジャクソンいわく「大部分をレジーが演じていた」のだそう。ちなみに演じ分けの実態について、タウンゼンド氏は「抱っこされるのが上手な子もいますし、座ってるのがうまい子もいますから」と語っている。
ところが実際のところ、劇中のグースはほとんどが“CGグース”に置き換えられているとのこと。「猫が出てくる場面は100ショット以上ありますが、そのうち70~80はCGなんですよ」。実際に撮影現場でグースを演じた猫たちや、彼らを導いたトレーナーに謝意を表しつつ、タウンゼンド氏は「猫たちには絶対にできないことがありますから。やりたがらないこともありますしね」と述べた。
「飛行機のコックピットに乗る場面で、ある人物が大きなレザーのコートを着ているんです。レザーが音を立てると、猫がサム(サミュエル)の膝の上で怖がってしまうんですよ。」
したがって、グースがフューリーの膝の上で丸くなっていたり、あたりをうろついていたりするシーンに登場するのはその多くがCGグース。キャロル・ダンヴァース/キャプテン・マーベル役のブリー・ラーソンは猫アレルギーを持っていることで知られるが、彼女がグースを抱いているシーンはほぼすべてがCGだという。その理由には、人間と猫を共演させることの難しさもあったようだ。
「私が見ても“本物の猫がやってるんだよね…”って思うような場面もたくさんありますが、実際には違います。俳優の演技が成功するのと同じテイクで、猫がきちんと演じてくれるなんてことはありませんから。サムに“もう一回お願いできますか?猫がちゃんとやれなかったんで”とは絶対言えないですよね。」
ちなみに、CGグースはあまりに高い完成度で描かれているため、アンナ・ボーデン&ライアン・フレック監督ですら実物との見分けがつかなかったという。米Marvel Entertainmentの公式YouTubeチャンネルにて公開された映像では、実物グースとCGグースの比較が紹介されている。さて、どっちが実物かわかるかな…?
映画『キャプテン・マーベル』は2019年3月15日(金)より全国公開中。
『キャプテン・マーベル』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/captain-marvel.html