ダニエル・クレイグ、ボンド役就任時の批判を聞こうとした理由 ─ 『007/カジノ・ロワイヤル』監督が明かす

『007 カジノ・ロワイヤル』(2006)で6代目ジェームズ・ボンド役を襲名したダニエル・クレイグは、初の金髪ボンド、歴代俳優に比べて身長が低いなどの容姿に関する理由から、出演発表当時に多くの批判を受けた。今や新たなボンド像を確立した開拓者としてのイメージが強いダニエルだが、当時はどのような心境でいたのだろうか。このたびラジオ番組に出演した『カジノ・ロワイヤル』のマーティン・キャンベル監督が、当時ダニエルと交わした会話を振り返っている。
ラジオ番組James Bond Radioにて、ダニエルの出演発表時、「彼に向けられた敵意についてはどう対処したか」との質問を受けたキャンベル監督は、「余計な声は遮りました」と答えている。キャンベル監督は5代目ボンドのピアース・ブロスナン主演『007 ゴールデンアイ』(1995)に続く2作目であったこともあり、新ボンド俳優が発表されるタイミングであがる批判の声には慣れていたそう。「『ゴールデンアイ』の時も、“ピアースはマニュアル車を運転できない”みたいなワケのわからない不満の声は聞こえてきましたけど、そういうのは全部無駄なものです」。
ダニエルに話を戻したキャンベル監督は「彼に“こういうくだらない意見とかは聞こうとしてるの?”って質問したのを覚えています」と撮影時に交わした会話を振り返った。監督によれば、ダニエルは「間違いなく聞こうとはしますよ」と答えたのだという。気になる理由について、キャンベル監督はこう続けている。
「僕は彼に、“なんで?”と聞き返したんです。そうすると、ダニエルは“製作スタッフは全員、間違いなく(批判を)耳にしているでしょうから、彼らが知っているということを僕も把握するようにしておきたかったんです”と答えたんです」。
『カジノ・ロワイヤル』公開時、自分に向けられた批判に傷ついたと明かしていたダニエル。それでも、撮影時はプロの俳優として振る舞っていたようで、キャンベル監督は「彼はそうしたくだらない声を全部押し流してしまって、全然影響を受けていないようでしたよ」と当時の様子を振り返っている。続けて「むしろ、批判は間違っていたと証明するためのモチベーションになっていたんじゃないでしょうか」と話した。
結果的に、最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』を含め計5作に出演することとなったダニエルは、歴代最長の15年間ボンドを演じ続けた。『007 スカイフォール』(2012)では、シリーズ最高の興行収入も記録し、まさに『カジノ・ロワイヤル』当時に受けた批判が誤りであることを証明したと言えるだろう。ダニエルが有終の美を飾る『ノー・タイム・トゥ・ダイ』は、2021年9月28日に英ロンドンでワールドプレミアを迎える。日本では10月1日(金)に公開予定だ。
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Source: James Bond Radio,Access