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「ダーク・ユニバース」やはり健在だった ─ 人気モンスター集結映画『ダーク・アーミー』監督、スタジオに脚本を提出

ユニバーサル・ピクチャーズが2017年に立ち上げた、有名モンスター映画の連続リメイク企画「ダーク・ユニバース」は、どうやらまだ健在だったようだ。2019年9月に製作が報じられた、人気の怪物たちが集結する新作映画『ダーク・アーミー(原題:Dark Army)』のポール・フェイグ監督が進捗状況を明かした。

『SPY/スパイ』(2015)やリブート版『ゴーストバスターズ』(2016)といったコメディ映画を手がけてきたフェイグ監督による『ダーク・アーミー』は、1920~1950年代にモンスター映画を多数製作したユニバーサルが、自社の名作モンスター映画に登場した怪物たちのほか、オリジナルの新キャラクターを加えて織りなす物語。モンスターたちの群像劇、あえて言うならば“モンスター版アベンジャーズ”というべきか。いや、単独映画よりも先に集結するあたり、“モンスター版ジャスティス・リーグ”というべきだろうか。

ComingSoon.netによると、フェイグ監督は『ダーク・アーミー』の脚本初稿をすでに完成させているとのこと。監督は「なるべく早く作りたいんです。脚本をダーク・ユニバースのメンバーに提出したので、今はユニバーサルの幹部が検討しているところでしょう」と述べた。やはりユニバーサルの社内には、今でもダーク・ユニバースに従事しているチームが存在するのである。

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そもそもダーク・ユニバースは、各作品にスター俳優を起用し、それぞれが世界観を共有するという、昨今のトレンドである“ユニバース構想”をそのまま採用する構想としてスタートした。ところが、トム・クルーズ主演の第1弾『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』(2017)が興行的・批評的不振に終わり、構想そのものが一時凍結されてしまう。その後ユニバーサルは、クラシックなモンスターと気鋭のクリエイターを融合させる新戦略に舵を切り、『透明人間』(1933)のリメイク版となる『インビジブル・マン(原題:Invisible Man)』の製作を進行中だ。

すなわち、現在のダーク・ユニバースは、名前通りの“ユニバース”というよりも、むしろ名作モンスター映画を新たに蘇らせる企画として理解するのが良さそうだ。実際のところ、『ダーク・アーミー』は巨大なユニバースとの接点をもつ作品にはならないとのこと。ひとまずは独立した作品だが、映画史に残るモンスターが揃い踏みする“お祭り映画”になるというわけである。

『フランケンシュタイン』(1931)をはじめ、昔のモンスター映画を敬愛しているというフェイグ監督は、『フランケンシュタインの花嫁』(1935)が特にお気に入り。『ダーク・アーミー』では、これらの作品から登場人物や要素を拝借しながら、オリジナル版を手がけたジェイズム・ホエール監督に近い作風を目指すとのこと。監督は本作について、“アウトサイダーとしてのモンスター”をきちんと描く「現代版モンスター映画」でありながら、自身の得意とするユーモアを取り入れたいという意欲を示しているのだ。

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Source: ComingSoon.net

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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