ジェームズ・ガン監督、DCとマーベルにおける編集作業の違いとは ─『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3』がマーベルでの最終作か

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)による『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのジェームズ・ガン監督は、マーベルだけでなく、DCコミックスによる『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021年8月13日公開)も手掛けている。DCとマーベルの両方で監督を務めるという快挙を成し遂げた監督は、そんな両ユニバースでのアプローチの違いについて説明した。
The New York Timesのインタビューにてガン監督は、「皆さんが思っているほど多くの違いはない」としながらも、「(マーベル・スタジオの)ケヴィン・ファイギが、ワーナー・ブラザースの人たちよりも編集に関わっていることは間違いありません。彼はもっと意見を出します」と答えている。ガン監督は以前、『ザ・スーサイド・スクワッド』の製作完了を報告した際にも、「一つひとつの選択を全て自分で行い、一度も干渉を受けませんでした」「ワーナーは創造性の側面からも素晴らしかった」と感謝を述べていた。『ザ・スーサイド・スクワッド』では『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズよりも自由に、思うがままに製作に取り組むことが出来たということだろう。
もっともガン監督によると、ファイギの意見には必ずしも耳を傾ける必要もないという。「受け入れなくてもいいし、いつもしていたわけでもありません」。一方で意見をもらうことで助けになった部分もあったようだ。「『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のファーストカットをみると、もっと問題がありました。あれほどの大きな規模の作品を手掛けるのは初めてだったので、何が上手くいっていて、何か上手くいっていないのか、余分なものを削っていくことを学ぶ必要がありました」。
DCとマーベルの両方で今後も作品を製作しつづけるのかという問いに対しては、「どうするのかはまだ全く決めていない」としながらも、「『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3』がおそらく最後になるでしょう。もう一度やるかはわかりません」と正直に答えている。長年付き添ってきたマーベルだが、DCの方が創作における自由度が高いことが魅力のひとつのようだ。
「DCのマルチバースでは様々なことができるので、楽しいですよね。コミックスにも寄り添いはじめています。マーベル・ユニバースはもう少し繋がりがありますけど、DCは素晴らしい単独作品が多いでしょう。『バットマン:ダークナイト・リターンズ』があって、『ウォッチメン』や『バットマン:キリングジョーク』もありました。アラン・ムーアの『スワンプ・シング』もありましたよね。あと『ジョーカー』という全く異なる作風の映画を作ったという事実は、僕にとって本当に喜ばしいことでした。マット・リーヴスによる『ザ・バットマン』にもとても期待しています。本当に才能に溢れた映画監督たちが参加しています。映画はいつも当たり外れがあるものですが、僕はとにかく退屈なものにはしたくないんです。」
ジェームズ・ガン監督が一切干渉されずに作り上げた渾身の一作、『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』は2021年8月13日公開予定だ。
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Source: The New York Times