DC映画『デスストローク』企画保留中か ― 監督「長い間、話し合いは全くありません」

DCコミックスの人気ヴィラン、デスストロークを主人公とする単独映画『デスストローク(仮題)』がただいま企画保留状態にある可能性が浮上している。監督として契約交渉に入ったと報じられていた『ザ・レイド』(2011)のギャレス・エヴァンスによれば、ワーナー・ブラザース&DCコミックスとは長いあいだ話し合いが行われていないというのだ。
米Comicbook.comのインタビューにて、ギャレス監督は『デスストローク』に関する報道が出た際のエピソードを振り返っている。
「『デスストローク』について報じられた時にDCから電話をもらいました。その前に何度か話し合いをしていたんです。DCの方々やワーナー・ブラザースの方々、それからジョー(・マンガニエロ)ですね。ジョーはデスストロークを演じることになっていて、キャラクターにすごい情熱を注いでいるんです。彼ら以上にキャラクターをよく知る人々には会ったことがありませんよ。」

そもそもジョー・マンガニエロがデスストローク役を演じると最初に伝えられたのは、ベン・アフレックが脚本・監督・主演を務める予定だった『ザ・バットマン(仮題)』だった。アフレックが同作の監督を退いたのち、アフレックによる脚本はお蔵入りとされ、『ザ・バットマン』にデスストロークが登場するかどうかは不明となっている。その後、ジョーは『ジャスティス・リーグ』(2017)のポストクレジットシーンでデスストロークとしての初登場を飾った。ひとまず、DC映画ユニバースへの顔見せは実現した状況だ。
しかしギャレス監督は、単独映画『デスストローク』の企画について「(当初の)話し合いの後は何も進んでいません」と述べている。
「ずいぶん長い間、僕は何も聞いてませんよ。(『デスストローク』について)書かれた記事を見るたびに、実は“待ってよ、僕が知らないことを知ってるの?”って聞きたくなるんです。だって、かなり長いこと何も知らされてないんですから。いつか(企画の話題が)一周して戻ってくるのかどうかもわからないんです。でも長い間、あの企画についての話し合いは全くありませんね。」
2018年6月、ギャレス監督は「2020年まではイギリスでテレビドラマの撮影がある」とInstagramにて記していた。これを受けて、米国メディアやファンの間では「『デスストローク』は2020年以降の製作ではないか」との予測が広まっていたが、企画はいわば“それ以前”の状態だったわけである。ギャレス監督が契約交渉に入ったと報じられた2017年10月以降、監督も私たちファンも、単独映画『デスストローク』の製作状況について知っている情報はほぼ同じだったのだ。
もっとも、仮に『デスストローク』が現時点で企画保留状態だとしても不思議ではない。なぜならワーナーは、デスストロークが初登場した『ジャスティス・リーグ』の米国公開後、同作の興行的不振を受けてDC映画ユニバースの幹部陣を一新したからである。ユニバースを統括してきたプロデューサーのジョン・バーグ氏が離脱し、後任者には『死霊館』シリーズや『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017)のウォルター・ハマダ氏が就任。ユニバースは新たな指揮者のもとで仕切り直しが進められていると報じられたのだ。
数々の企画が伝えられてきたDC映画ユニバースだが、ほかにも『デスストローク』と同じような状態にある作品は存在するとみられる。実現を望む者は、じっと続報を待ちながら祈ることしかできない……!
Source: Comicbook.com
Eyecatch Image: Photo by Daniel Benavides Remixed by THE RIVER