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ルーカスフィルム、ディープフェイクYouTuberを採用 ─ 「マンダロリアン」ルークの動画で話題に

https://www.youtube.com/c/Shamook/videos

『スター・ウォーズ』の米ルーカスフィルムが、ディープフェイクを用いて有名映画やドラマの人物を入れ替えた映像を手掛けるYouTuberのShamookを採用していたことがわかった。

ディープフェイクとは、映像の人物の顔を別人と入れ替える技術。犯罪やポルノの目的で悪用されることもあり、その是非をめぐっての議論は成熟しきっていない部分もあるが、Shamookは有名映画の映像にディープフェイクを施してYouTubeに公開している。たとえば、歴代の『スパイダーマン』映画でスパイダーマンを演じた3名の役者の顔を入れ替えたものや、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018)のオールデン・エアエンライクをハリソン・フォードに、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977)のアレック・ギネスをユアン・マクレガーに入れ替えたものなどがある。

中でも高い再生回数を記録していたのが、「マンダロリアン」シーズン2最終話に登場したルーク・スカイウォーカーを、マーク・ハミルの顔に差し替え直したもの。このエピソードでは若き日のルークが再登場してファンを喜ばせたが、その顔の細かな再現はファンにとってやや不満が残る仕上がりだった。Shamookはこの映像にマーク・ハミルの顔を合成し、よりルークらしい映像に作り変えているが、かかった日数はわずか4日というから驚きだ。

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この動画にはもともと、「ルーカスフィルムはこの人物を雇うべきだ」といったコメントも寄せられていたが、本当に雇用されていたようだ。ルーカスフィルムは「常に才能あるアーティストを求めており、この度はオンライン上で『Shamook』という名で活動しているアーティストを採用しました」と、米IndieWireを通じて認めている。「ILMでは過去数年間、魅力的な視覚効果作品を製作するための手段として、機械学習とAI技術への投資を進めてきました。テクノロジーの進歩に伴い、この領域での勢いが増しているのは素晴らしいことです」。

Shamookも「数ヶ月前にILM/Lucasfilmに加わった」ことを認め、近頃YouTubeへの動画投稿が少なかったのはそのためだと明かしている。「仕事も落ち着いたので、また動画のアップも増やしていきます。まだスローにはなりますが、数ヶ月以内には。お楽しみに!」

ルーカスフィルムでは『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)や『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(2019)で、過去作品に登場した人物をCGで再登場させている。中でも『ローグ・ワン』で故ピーター・カッシングのウィルハフ・ターキンを再登場させた舞台裏では、ギャレス・エドワーズ監督にして「多くの血と汗と涙が流れた」と言わせる膨大な作業と努力が求められていた。ところが、ディープフェイク技術を操るShamookの手にかかれば、本編よりもさらに自然な映像が実現しているのだ。

気になるのは、ルーカスフィルムがどういった目的でShamookによるディープフェイク技術を採用するのかということ。『スター・ウォーズ』ユニバースでは今後、ボバ・フェットやランド・カルリジアンといった往年の人気キャラクターに焦点をあてるドラマシリーズが控えているが、これらの作品の中で、ディープフェイクによる過去の人物の再登場が考えられているのかもしれない。

なおDisney+では2021年8月25日、「マンダロリアン」シーズン2のルーク・スカイウォーカー登場舞台裏を明かす『ディズニー・ギャラリー/スター・ウォーズ:マンダロリアン シーズン2』スペシャルエピソードが配信となる。本編で見られたルーク復活の全貌は、ひとまずこちらのエピソードで知ることができそうだ。

Source:IndieWire

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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