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『悪魔はいつもそこに』セバスチャン・スタン、実際に体重を大幅増量していた ─ 「新しいことをやりたいと思った」

悪魔はいつもそこに
Netflix映画『悪魔はいつもそこに』2020年9月16日(水)全世界独占配信|Glen Wilson/Netflix

トム・ホランド主演、Netflixオリジナル映画『悪魔はいつもそこに』(2020)には、マーベル・シネマティック・ユニバースのウィンター・ソルジャー/バッキー・バーンズ役で知られるセバスチャン・スタンが出演している。スパイダーマンとバッキーを演じている2人の俳優が、マーベル映画とはまったく異なる役柄で相まみえるのが見どころのひとつだ。

本作でセバスチャンが演じているのは、汚職に手を染めた保安官のリー・ボーデッカー役。当初はキャプテン・アメリカ役で知られるクリス・エヴァンスがキャスティングされていたが、スケジュールの都合で出演が叶わず、セバスチャンが後任を務めることとなった。アントニオ・カンポス監督は、米Colliderにて「クリスのことは残念でしたが、セバスチャン・スタンが出てくれて本当に幸運だった」と振り返っている。

「(セバスチャンは)素晴らしい演技をしてくれました。役柄にしっかりと入り込んでくれたし、僕がイメージしていた体型にするため、ものすごい速さで体重を増やしてくれたんです。」

セバスチャン演じるボーデッカーの初登場シーンには度肝を抜かれるだろう。でっぷりと太った保安官が、想像するかぎり“最低”の顔見せを果たしてくれるのである。バッキー役とはうってかわったビジュアルだが、セバスチャンは自ら体重を増量し、この役柄に挑んだ。主人公アーヴィンを演じたトム・ホランドと同じく、セバスチャンもボーデッカー役は自身の新境地だったと認めている

「これまでの役柄とはずいぶん違いましたね。作品の世界観についても、僕が育ってきた環境や、知っていることとはまるで違う。肉体面の挑戦がある役だったし、自分が今までに挑戦したことのない、新しいことをやりたいと思いました。それに監督はビジョンを細かく持っていて、作品の方向性や、この男(ボーデッカー)をどう描きたいのかをしっかりと把握していたんです。」

『悪魔はいつもそこに』は、ビル・スカルスガルドやロバート・パティンソン、ライリー・キーオら豪華キャストが織りなす群像劇だ。そんな中でも、セバスチャンが演じるボーデッカーはキーパーソンのひとり。もちろんバッキー役とは大きく異なる役柄だが、清濁併せ吞んだ人物という側面は共通する。そんな人物にも周囲への愛情があり……という点でいえば、『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(2017)など近作との共通点も見出せるだろう。セバスチャンが繊細なせりふ術と表情で紡ぐボーデッカーという人物像は、新境地でありながら、セバスチャンのフィルモグラフィの蓄積も確かに感じられる役どころだ。

Netflixオリジナル映画『悪魔はいつもそこに』は独占配信中。

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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