米ディズニー社、21世紀フォックス社の事業買収交渉を本格再開か ― 2017年内に決着の可能性、米報道

米ウォルト・ディズニー・カンパニーが、21世紀フォックス社との事業買収交渉を再開したという情報が入ってきた。米The Wall Street Journalが伝えている。今回の報道によれば、2017年内にも交渉の決着がつく可能性があるようだ。
2017年11月6日(現地時間)、ディズニーが21世紀フォックス社の映画部門(20世紀フォックス)やテレビ部門などを買収する方向で交渉を行っていたという情報が全世界を駆け巡った。その時点で両者間の交渉は行われていなかったようだが、その後も交渉再開の可能性は随時示唆されていたのである。その後、ソニー・ピクチャーズ エンターテインメントや大手ケーブルテレビ会社のコムキャスト、携帯電話会社のベライゾンも、フォックス社買収への興味を示していた。
このたびWSJ誌が報じたところによると、ディズニーによる21世紀フォックスの事業買収交渉はすでに再開されており、話し合いは急激に進行しているという。11月28日(現地時間)、米Deadlineが同様の噂を伝えていたが、今回の情報はその裏付けとなった形といえそうだ。
関係者によれば、21世紀フォックスの実権を握る“メディア王”ことルパート・マードック氏と周辺の人物は、今回のディズニーによる事業買収交渉を2017年内に決着させる意向だという。すなわちディズニーによる事業買収が実現するかどうかは別として、本件の結論がまもなく出される可能性があるということだ。
専門家によれば、21世紀フォックスの事業買収額は485億ドルにものぼるという。現在はディズニーが事業買収の最有力候補とみられているが、コムキャスト社も同じく候補に残っているとのことだ(ソニー・ピクチャーズ、ベライゾンの現状はわかっていない)。ただし繰り返すが、両社とも交渉決裂を迎えるという結末もまだ残っている。
ディズニーは2009年にマーベル・エンターテインメントを、2012年に『スター・ウォーズ』のルーカスフィルムを買収。20世紀フォックスもディズニー傘下に加わる場合、同社が権利を保持する『スター・ウォーズ』過去作がディズニーの手に収まるほか、同じく映像化権を保有する『X-MEN』シリーズや『デッドプール』といったマーベル・キャラクターが、『アベンジャーズ』シリーズでおなじみのマーベル・シネマティック・ユニバースへ合流することが可能になる。
ただし20世紀フォックスは、『デッドプール』(2016)や『LOGAN/ローガン』(2017)でR指定の過激な表現を用いて独自のヒーロー映画を製作する方針を示しており、その傾向は今後のスピンオフにも著しくみられる。こうした創造面の問題がディズニー傘下で認められるかどうかも、ファンにとっては非常に大きな問題なのだ。
本報道が真実ならば、世界中を騒がせた事業買収報道は近々大きな進展を見せることになるだろう。今後の状況をくれぐれも注視されたい。
Sources: https://www.morningstar.com/news/dow-jones/TDJNDN_201712021470/disney-reengages-in-talks-to-buy-21st-century-fox-assets.html
https://www.wsj.com/articles/disney-re-engages-in-talks-to-buy-21st-century-fox-assets-1512239431
http://variety.com/2017/biz/news/disney-fox-sale-talks-comcast-1202628942/
https://screenrant.com/disney-fox-deal-update-decision/