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ディズニー、映画・ドラマの撮影再開めど立たず ─ マーベルやスター・ウォーズ、20世紀スタジオに影響

ディズニー

米ウォルト・ディズニー・カンパニーは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を受け、映画・ドラマの撮影再開の見通しを立てられない状況にあることを明かした。2020年5月5日(現地時間)、ボブ・チャペックCEOが投資家向け収支報告会にて語っている。

中国でCOVID-19の感染拡大が収束している現状を踏まえ、ディズニーは上海ディズニーランドの営業を5月11日に再開することを決定。営業にあたっては、政府の指示に従って一日あたりの入場者数を制限し、来場者の体温を測定する、マスクの着用を求めるなどの対策を実施する予定だ。チャペック氏は、映画・ドラマの撮影についても、テーマパークと同様の対策を講じる姿勢を示している。

「大規模なプロジェクトについては、テーマパークと同じプロセスを実施することになるでしょう。私たちには、従業員やフィルムメーカーに対する責任があります。(再開が)いつになるかの予測は立てられていません。」

COVID-19の影響により、ディズニーはマーベル・シネマティック・ユニバースのドラマシリーズ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー(原題)」「ロキ(原題)」のほか、マーベル映画『シャン・チー&ザ・レジェンド・オブ・ザ・テン・リングス(原題)』、マット・デイモン&ベン・アフレック&アダム・ドライバー共演『The Last Duel(原題)』など多数のプロジェクトを中断。実写版『リトル・マーメイド(原題)』やリブート版『ホーム・アローン(原題:Home Alone)』なども撮影見合わせとなった。これらの作品について、再開の見込みはいまだ立たないというわけだ。

同じく、ディズニーは『ブラック・ウィドウ』『ムーラン』『フリー・ガイ』『ジャングル・クルーズ』『ソウルフル・ワールド』などの劇場公開を相次いで延期。劇場公開予定だった『アルテミスと妖精の身代金』はDisney+にて配信されることも決定した。チャペック氏は、今後も映画作品を配信にて発表する可能性があることを認めている。

「私たちは、大作ブロックバスター映画を劇場で体験する価値を強く信じています。けれども観客の行動が変化していること、COVID-19のような特別な状況も理解していますので、全体的な戦略を変更しなければならないかもしれません。劇場が営業していなかったり、(劇場公開を)経済的に実現できない営業状態だったりしますから。状況に応じて、作品ごとに判断していくことになるでしょう。」

時々刻々と変化している情勢を受けて、今後、ディズニーは各作品のスケジュールをさらに変更する可能性もある。ディズニー・スタジオ/ピクサー/ルーカスフィルム/マーベル・スタジオ/20世紀スタジオと、同社が抱えるスタジオとブランドは映画界において大きな存在感を示しているだけに、今後数年間にわたる影響も懸念されるところだ。安全を確保したうえで、なるべく早期の再開を祈るばかりである。

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Source: Disney

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。