Menu
(0)

Search

『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』日本版予告編、「意味が全く分からない」世界で絶賛と酷評 ─ 場面写真もやっぱり意味が分からない

テリー・ギリアムのドン・キホーテ
© 2017 Tornasol Films, Carisco Producciones AIE, Kinology, Entre Chien et Loup, Ukbar Filmes, El Hombre Que Mató a Don Quijote A.I.E., Tornasol SLU

構想30年、企画頓挫9回。“映画史上最も呪われた企画”こと、鬼才監督テリー・ギリアム悲願の新作『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』が2020年1月24日(金)に公開される。このたび、待望の日本版予告編がついに完成。あわせて、作品の世界観が垣間見える場面写真も到着した。

主人公のCM監督トビーは、仕事への情熱を失いながらも、スペインの田舎で撮影に取り組んでいた。そんなある日、トビーが謎の男から渡されたDVDは、学生時代にトビーが監督し、賞に輝いた映画『ドン・キホーテを殺した男』。舞台の村が近いと知ったトビーは現地に向かうが、人々は映画のせいで変わり果てていた。ドン・キホーテを演じた老人ハビエルは自分を本物の騎士だと信じ込んでおり、清楚な少女だったアンジェリカは女優を夢見て村を飛び出したのだ。トビーを忠実な従者のサンチョだと思い込んだ老人は、トビーを引き連れて大冒険の旅へと出発するが……。

テリー・ギリアムのドン・キホーテ
© 2017 Tornasol Films, Carisco Producciones AIE, Kinology, Entre Chien et Loup, Ukbar Filmes, El Hombre Que Mató a Don Quijote A.I.E., Tornasol SLU

今回の予告編は、アダム・ドライバー演じるCM監督トビーによる「アクション」の掛け声とともに、ベートーヴェンの交響曲第5番ハ短調「運命」に乗せて、ドン・キホーテとトビーの運命的な旅路がゆっくりと映しだされる。高らかに名乗りを上げるドン・キホーテ、迫りくる巨人たちといった“いかにもドン・キホーテ”な旅の様子は、やがてヤギとキスをするトビー、目玉のギョロつくグロテスクな化け物、豪奢なお城、そして踊るドン・キホーテなど、夢と現実が交錯する風景へと転じていく。そう、これぞテリー・ギリアムが長年描きたかった世界なのだ。

すでに本作は、ヨーロッパにて「天才のストライク!」「大胆不敵で抱腹絶倒」さらには「とんでもなく感動的」と絶賛の嵐。ところが、アメリカでは「狂気に満ちた世界」「意味が全く分からない」と酷評され、世界で賛否両論が巻き起こっている。しかしテリー・ギリアムの場合、「狂気に満ちた」「意味が全く分からない」は誉め言葉ではあるまいか。

テリー・ギリアムのドン・キホーテ
© 2017 Tornasol Films, Carisco Producciones AIE, Kinology, Entre Chien et Loup, Ukbar Filmes, El Hombre Que Mató a Don Quijote A.I.E., Tornasol SLU

1989年に構想が開始された本作は、2000年にスペイン・マドリードで撮影が始められるや、撮影現場周辺を戦闘機が飛び交い、あえなく中断。鉄砲水に襲われて撮影機材が流失、風景も様変わりしてしまう悲劇に見舞われる。さらにドン・キホーテ役(当時)のジャン・ロシュフォールが腰痛で歩けなくなり、ついに企画は頓挫した。資金繰りやキャスティング、権利問題などでその後も完成に至らなかった本作の経緯は、『ロスト・イン・ラ・マンチャ』(2002)としてドキュメンタリー映画化されている。

映画史上に残るカルトか、それとも稀代の傑作か。鬼才にして巨匠、異端すぎてもはや王道。テリー・ギリアムが構想30年をかけて完成させた執念の本作は、日本の映画ファンにどう受け止められるのか。映画ファンに挑戦状を叩きつける一作が、2020年の年明けから日本にやってくる。

テリー・ギリアムのドン・キホーテ
© 2017 Tornasol Films, Carisco Producciones AIE, Kinology, Entre Chien et Loup, Ukbar Filmes, El Hombre Que Mató a Don Quijote A.I.E., Tornasol SLU

主人公トビー役は『スター・ウォーズ』や『ブラック・クランズマン』(2018)のアダム・ドライバー、老人ハビエル役には「ゲーム・オブ・スローンズ」で知られ、テリー・ギリアム監督とは4度目のタッグとなる重鎮ジョナサン・プライス。トビーのボス役は『パイレーツ・オブ・カリビアン』『アベンジャーズ』の名優ステラン・スカルスガルド、ボスの妻ジャッキ役は『007/慰めの報酬』(2008)のオルガ・キュリレンコが演じている。

映画『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』は2020年1月24日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

あわせて読みたい

Writer

アバター画像
THE RIVER編集部THE RIVER

THE RIVER編集部スタッフが選りすぐりの情報をお届けします。お問い合わせは info@theriver.jp まで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly