【ネタバレ】『デッドプール&ウルヴァリン』でロバート・ダウニー・Jr.がトニー・スタークを再演する予定だったが、ドクター・ドゥーム役決定のため辞退していた

この記事には、『デッドプール&ウルヴァリン』のネタバレが含まれています。

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)『デッドプール&ウルヴァリン』劇中では、主人公ウェイド・ウィルソンが2018年3月のアース616(MCUの神聖時間軸)でハッピー・ホーガンのオフィスを訪れる場面があった。世の中の役に立ちたいと考えるウェイドはアベンジャーズ加入を申し出るが、ハッピーにチームプレイヤーとしての素質を疑われ、拒否されてしまう。ハッピーのオフィスにはアベンジャーズにまつわる記念品の数々が飾られており、デッドプールがMCUに加わったことを象徴する貴重なワンシーンとなった。
実はこのシーン、ロバート・ダウニー・Jr.の再演によるトニー・スタークとハッピー二人の登場で始まる脚本となっており、ダウニー・Jr.は本読みに参加もしていたという。トニー登場シーンを発案・執筆したのはライアン・レイノルズで、ダウニー・Jr.とハッピー役ジョン・ファヴローの「素晴らしいコンボ」の実現を望んでいた。つまり当初は、トニー・スタークとハッピー・ホーガン、ウェイド・ウィルソンが一画面に揃う構想だったそうだ。
ところが、ダウニーは出演を辞退する。その理由は、既にドクター・ドゥーム役でのMCU復帰の調整が始まっていたためだという。ワーニックたちも、裏でドゥーム復帰に向けた動きがあったことは知らなかったのだそうだ。

トニーが登場するはずだった同シーンだが、おおよその内容は完成版と変わらず、ウェイドがチームプレイヤーとしての素質を疑われる、というものだったとリースは話している。「皆さんが見たシーンとほぼ同じでした。ただ、相手が(ハッピーの)一人ではなく、(トニーも加わった)二人だったというだけです」。
ちなみにワーニックが「ここだけの話」と語るところによれば、製作のかなり初期の頃には「あの部屋にアベンジャーズ全員が揃っている」という演出も話されていたそうだ。ここでもやはりデッドプールはアベンジャーズ入りを拒絶され、怒って「デッドプールならではのやり方で」「悪質なやり方で」アベンジャーズ一人一人を攻撃していくという流れだったという。

例えば、ウェイドがソーのハンマー(ムジョルニア)を持ち上げようとするという一幕もあったそう。部屋にはウェイドの友人ピーターも居合わせており、ピーターは画面の背景でムジョルニアをあっさり持ち上げてしまうというギャグが考えられていたそうだ。そのほか、ウェイドがキャプテン・アメリカに汚い言葉を言わせようとする、というものもあったという。
もっとも、アベンジャーズがアッセンブルするこのバージョンはアイデアとして語られていただけで、脚本に書き起こされるまでは至っていない。具体的な実現が検討されなかった理由は、高すぎるギャラと、全員のスケジュールを押さえなくてはいけないという現実的な事情があったらしい。
ヒーローチームがカメオで集合する演出といえば、『デッドプール2』(2018)でX-MENの面々が揃っていたことが思い出される。たまたま彼らの映画撮影スケジュールが重なっていたため、ついでに集まって撮影できたためだ。この奇跡についてリースは、楽曲『ウィー・アー・ザ・ワールド』でスーパースターたちがアメリカン・ミュージック・アワード授賞式のため集結していた時のようなものだと振り返った。
トニー・スタークは『アベンジャーズ/エンドゲーム』で死亡するが、『デッドプール&ウルヴァリン』内で登場予定だったシーンの劇中時間設定は2018年3月で、これは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』サノスとの戦いが始まる以前のこと。つまり、過去のシーンであればロバート・ダウニー・Jr.の再演登場も実現できたようだ。
『デッドプール&ウルヴァリン』の製作陣もダウニー・Jr.の登場を熱望していたが、リースは「彼は違う役で戻ってくることになっていた。もうすぐドクター・ドゥーム役でやってくるのに、トニー・スターク役を演じるというのは、筋が通らないですよね」と話している。よってこの度のケースは、たとえ過去のシーンであっても、今後トニー・スタークが再演されることはないという事実を示しているとも言えるだろう。
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Source:Indie Wire