【ネタバレ考察】トニー・スタークと『デッドプール&ウルヴァリン』の説 ─ じゃあ、アレは誰なのか?

この記事には、『デッドプール&ウルヴァリン』のネタバレが含まれています。

アース616のアンカーはトニー・スタークだった説
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)『デッドプール&ウルヴァリン』では、TVA(時間変異取締局)のミスター・パラドックスによって、「アンカー」という新しい概念が明かされた。「アンカー」はユニバースにおける最重要人物であり、その人物が死亡すると、世界は内側から徐々に消滅してしまうという。
デッドプールの暮らすアース10005におけるアンカーは、映画『LOGAN/ローガン』のローガン/ウルヴァリンだった。アース10005はこれから数千年をかけて徐々に消滅することになるが、その見届け役であるパラドックスは、タイムリッパー(時間加速機)を使って一思いに“安楽死”させたいと企んでいた。
どのユニバースにもアンカーなる存在がいるのであれば、神聖時間軸(アース616)では一体誰なのか?もしかすると、『アベンジャーズ/エンドゲーム』で死亡したアイアンマン/トニー・スタークこそが、あの世界のアンカーだったのではないか?
米Comicbook.comは、この興味深い質問をマーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギにぶつけている。ファイギの反応は「あなたがその質問をしてくれたという事実そのものが嬉しいです。その質問で、あなたの想像力に火がついたわけですね!」というもので、答えになっていない。もしかしたら、この問いは良いところを突いていたのかもしれないし、見当外れなものだったのかもしれない。
しかし、トニー・スタークがアンカーだったというのは妥当性があるように思える。アベンジャーズが結成されたのも、サノスを倒すことができたのも、全てトニーが中心となっているのだから、彼はアンカーとなるに相応しい。トニーが死に、神聖時間軸が消滅の運命にあると知った時、ヒーローたちは世界を救うために団結しなくてはならない……という展開も、今後のMCUの大きな局面としてピッタリだ。
また、ファイギが件の質問に答えたのは、ロバート・ダウニー・Jr.がドクター・ドゥーム役で復帰するという衝撃発表より前であるということにも留意しておきたい。ダウニー・Jr.版ドゥームがどのような出自となるかはまだ不明だが、例えば『デッドプール&ウルヴァリン』でアンカーのウルヴァリンを求めていたデッドプールが「最悪のウルヴァリン」を連れてきたように、アベンジャーズがマルチバースから別のトニー・スタークを探していたところ、「最悪のトニー」つまりドクター・ドゥームに出会ってしまう、という展開もゼロではなさそうだ。

ここで思い出したいのが、『デッドプール&ウルヴァリン』の最初の予告編が公開された直後に指摘されていた、“虚無の地”における悪のアイアンマンの存在示唆である。この荒野を走る車両のひとつに、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)の悪役レッドスカルが乗っていたヒドラ・シュミット・クーペがあり、そのエンブレムがヒドラのシンボルマークの代わりにアイアンマンのマークとなっているのだ。
つまりマルチバース、または虚無の地のどこかでは、アイアンマンがレッドスカルに相当する悪として君臨した世界線があったと考えることができる。これは、トニーがアイアンマンのマスクを制作する代わりに、ドクター・ドゥームの鉄仮面を被っている世界が存在する可能性の、充分な裏付けとなる。もちろん、その場合はドクター・ドゥームの原作設定をかなり大胆な形で改変することになるので、その是非についてはまた別の議論が必要となる。

『デッドプール&ウルヴァリン』に登場したウルヴァリンは、責務から酒に逃げ続け自己嫌悪に陥っていた。別世界の自分は人々に愛される英雄として死んだということに複雑な思いでいたが、最後には自分はX-MENであるとついに奮い立ち、世界を救うために自己犠牲を払った。一方、別世界のどこかに闇のトニー・スタークがいて、もっともっと邪悪な存在だったとしたら。アース616のトニーが、世界を救うために命を投げ出し、世界最大の英雄として讃えられてると知ったら。その事実を歪んだ形で捉え、より悲惨な出来事を招こうとするかもしれない。
果たして、アース616におけるアンカーは誰なのか。ドクター・ドゥームの正体とは。『アベンジャーズ:ドゥームスデイ』US公開の2026年5月まで、考察はまだまだ続きそうだ。
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