単独映画『ドクター・ドゥーム』脚本ほぼ完成、ただし企画が一時中断に ― ディズニーのフォックス買収、初めて影響か
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ヒーローチーム「ファンタスティック・フォー」の宿敵にしてマーベル・ユニバース最強ともいわれるヴィラン、ドクター・ドゥームの単独映画『ドクター・ドゥーム(仮題)』の進捗状況が判明した。
「X-MEN」「ファンタスティック・フォー」の映画化権を有する20世紀フォックスが製作する本作は、ドラマ『レギオン』(2017-)や『FARGO/ファーゴ』(2014-)を手がけるノア・ホーリーが脚本を担当する(監督兼任の可能性もある)。
『ドクター・ドゥーム』の企画が明かされたのは、2017年7月に開催されたサンディエゴ・コミコン。それから約1年が経過して、その脚本作業は大きな区切りを迎えたようである。このたび米Vultureにて、ノア氏は「脚本は執筆しました。僕もスタジオ(20世紀フォックス)も非常に気に入っています。もう少しだけ作業する必要はあるんですが」と語ったのだ。
ただし本企画は、残念ながらこのタイミングでしばらくストップすることになるという。その背景には複数の要因があるものの、2017年12月に発表された、ウォルト・ディズニー・カンパニーによる20世紀フォックス買収が鍵を握っている可能性がありそうだ。
2018年6月現在、ディズニーとフォックスは2019年夏までの事業統合を目指して協議を進めている。ただし買収が無事に完了した場合、「X-MEN」やドクター・ドゥームなど「ファンタスティック・フォー」の映像化権はフォックスからマーベル・スタジオ(ディズニー傘下)へ移動する見込み。フォックスが独自に進めてきた作品や企画に変化が生じる可能性もあるわけだ。
ノア氏は慎重に言葉を選びながら、両社の事業統合が『ドクター・ドゥーム』に影響を与えている可能性について述べている。
「まだ確かでないことがあるのもわかっているんですが、ディズニーによる買収の可能性があって、マーベル(・スタジオ)がX-MENやファンタスティック・フォーの権利を取り戻すかもしれません。彼らには独自の計画があるかもしれない…僕にはわかりませんが。確かなことではないと感じていますよ。」
現在、マーベル映画のクリエイターたちは、ディズニーのフォックス買収に関して今後の展開には口をつぐんでいる。あくまで直ちに影響が出るものではないとして、両社はそれぞれの企画を進めてきたのだ。
実際、『ドクター・ドゥーム』も2018年1月の時点では「平常運転」であるとされ、ノア氏も「合併でどうなるかという話はしていません」と話していた。もし本当に事業統合が『ドクター・ドゥーム』の一時休止に関係しているとすれば、これはディズニーによる買収が話題になって以来、はじめて映画の制作に影響が出ているケースだといえるだろう。
ただし本企画がストップする一因には、ノア氏自身のスケジュールが大きく関わってもいる。ナタリー・ポートマンが主演する映画監督デビュー作『Pale Blue Dot(原題)』の撮影を控えているため、『ドクター・ドゥーム』に今すぐ時間を割けないというのだ。ノア氏は「終わったら『ドクター・ドゥーム』に戻りたい」と述べているが、そのころディズニーとフォックスの事業統合がどうなっているかという問題もある。
いずれにせよ『ドクター・ドゥーム』の制作は一時休止され、今後しかるべきタイミングでの再開を待つことになる。ノア氏のスケジュールやディズニーとフォックスの事業統合を鑑みれば、早くとも2020年ごろの本格始動となりそうだが……?
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Source: Vulture