『DUNE/デューン』ティモシー・シャラメ&ヴィルヌーヴ監督が直面した映像化の「恐怖」【インタビュー】

世界中の映画ファンから長いこと期待されてきたSF超大作がついにやってくる。その莫大すぎるスケールゆえに、映像化が最も困難なSF小説と言われ続けてきたフランク・ハーバートによる同名の一大叙事詩を現代で映画化した、『DUNE/デューン砂の惑星』だ。21世紀、ヴィジョンにテクノロジーが追いついた今、新たに映像化に挑んだのは、『メッセージ』(2016)や『ブレードランナー 2049』(2017)などで知られるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督だ。
公開を直前に控えた今、その魅力を最大限に味わってもらうため、THE RIVERでは封切り前日(10/14)までの4日間で、監督&主要キャストとのインタビュー、そしてIMAXをはじめ複数の上映フォーマットでの鑑賞を比較した映画レビューをお届けしていく。初日となる第1回は、世界の記者からの様々な質問に応じてくれたヴィルヌーヴ監督とティモシーのインタビューレポート。作品についてから製作の舞台裏、パーソナルなことまでを語ってくれた。
▼ 『DUNE/デューン』鑑賞前はコレ

最も重要な要素は「女性たち」、監督の思い
── おふたりが初めて会ったのはいつなのですか?お互いに対する第一印象は?
ヴィルヌーヴ:初めて会ったのがカンヌ映画祭でしたね。
ティモシー:3年前のことでしたね。第一印象は、─ これはドゥニに言ったことがないと思いますが ─ 原作に対してまるで少年のような情熱を持っているところが強く残っています。制作が開始する1年前から作りたくてしょうがない感じがもう出ていた。原作と脚本を持ちながら部屋の中を練り歩くんですよ。アイデアもどんどん湧いてくる感じで。
その時、僕はまだ役をオファーされていなかったんですけど、ドゥニと仕事ができるかもしれないという可能性にワクワクしたのを覚えています。出演するなら、監督が嬉しそうに演出するような作品に出たいと思うものですからね。
ドゥニが若い頃に原作を読んでいて、ずっと愛読書だったというのをインターネットで知ったんです。そのあと、僕の父や父の知り合い、周りにいる友達にも『DUNE/デューン』について聞き回ってみたんですけど、みんな原作をものすごくリスペクトしていて、ポール・アトレイデスや「恐怖を退ける連祷」(※下記で登場するゴム・ジャバールのことを指す)に支えられてきたことを知った。映画を観にくる今の世代にもそこが伝わったら良いと思います。とにかく監督に対する印象はとても良かったです!
ヴィルヌーヴ:僕らって、カンヌ映画祭で会ったんだっけ?
ティモシー:正確に言うと、会ったのはカンヌ映画祭の前でしたね。『メッセージ』と『君の名前で僕を呼んで』が同じ年に公開されて、その時ドゥニが『DUNE/デューン』を監督することになるというのを聞いていたので、アプローチしたいと思っていたんです。
ヴィルヌーヴ:私こそティモシーの大ファンだったよ。ただ、これはティモシーに度々言われることですけど、私は過去にティモシーのキャスティングを拒否したことがあるそうなんですって。当時はまだティモシーのことを認識していなくて。キャスティングというのは難しいもので……。
ティモシー:これは『プリズナーズ』の話なんですけどね。僕は『プリズナーズ』のオーディションを受けていたんです。
ヴィルヌーヴ:ティモシーはヒュー・ジャックマンが演じた役をやりたかったそうなんだけど、「それは無理だ」と言ったんです(笑)。キャスティングはケミストリーなんです。でも『DUNE/デューン』ではティモシー以外考えられなかった。ティモシーに出演してもらえなければ、作る意味がないとさえ思いました。(製作の)レジェンダリー・ピクチャーズもこれに同意してくれていて、我々の中ではティモシーはポール・アトレイデスそのものだったし、カメラの前でも彼はポールになりきってくれた。出演してもらえて本当に感謝しています。
