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【ネタバレ】『アベンジャーズ/エンドゲーム』バッキー◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
©Walt Disney Studios / Supplied by LMK / 写真:ゼータ イメージ

バッキー、すべて悟っていた

Entertainment Weeklyのインタビューで、アンソニー&ジョー・ルッソ監督は、ラストのバッキーはスティーブの思いを悟っていたのだと認めている。スティーブが過去にとどまり、もはやキャプテン・アメリカとしては戻ってこないことを、バッキーは直感的に理解していたのだ。「だから、さよならの時に“寂しくなるよ”と言うんです。明らかに何かを理解していますよね」。

スティーブとバッキーの物語が大々的にフィーチャーされたのは、マーベル・シネマティック・ユニバース作品としては『シビル・ウォー』が最後になった。しかしルッソ監督にとっては、二人の繋がりをきちんと描くという意味では同作がひとつの到達点だったのだろう。当時、ジョー監督は英Empireにてこのように語っていた。

「キャップとバッキーの物語が魅力的なのは、それが一種のラブストーリーだからです。二人は一緒に成長してきて、お互い兄弟のように――もしくはそれ以上に――気持ちが繋がっている。それはバッキーが、スティーブが成長する上での全てだったからでもあります。」

過去へと旅立ったスティーブがマシン上に帰ってこないことに、ブルース・バナー/ハルクやサム・ウィルソン/ファルコンが戸惑う中、湖のベンチにひとつの後ろ姿が現れる。その背中をバッキーは穏やかに見つめ、それからサムに目配せした。ジョー監督によれば、この時のサムは「何も分かっていなかった」そう。しかしバッキーは、この時も、後ろ姿が年老いたスティーブであることをすぐに理解したのだろう。

スティーブはキャプテン・アメリカの盾を、バッキーではなくサムに託す。盾を手にして「他人のものみたいだ」と口にするサムに、スティーブは「君のものだよ」と答えた。その様子を、バッキーは少し離れた後ろから見守っている。

かつては痩せっぽちで力のなかった、しかし勇気だけはあった青年は、キャプテン・アメリカとして人々や世界のために戦い、ついに自分自身の生活を手に入れた。バッキーは彼の友人として戦い、お互いに必要な時には支え合い、ヒーローとしての勇姿と葛藤の両方を近くで見ている。そして最後には、彼が自分の盾を誰かに譲るところを見届けることができた。かつて宣言した通り、スティーブ・ロジャースというヒーローの冒険に、バッキーは「最後までとことん付き合った」のである。

『アベンジャーズ/エンドゲーム』を経て、バッキーはどこへ向かっていくのだろうか。幸いなことに、次なる活躍の場はすでに決まっている。単独ドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー(邦題未定、原題:The Falcon and The Winter Soldier)」では、タイトルの通り、サムとバッキーの新たな物語が描かれるのだ。バッキー・バーンズの旅は、まだまだこれからも続いていく。

ドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」
『エンドゲーム』ラストシーン解説はこちら

Source: EW, Empire

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。