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【ネタバレ】『アベンジャーズ/エンドゲーム』トニー・スターク、語られざる胸中が脚本から判明 ─ あの瞬間、なにを思っていたのか

アベンジャーズ/エンドゲーム
ⒸMarvel Studios 2019

この記事には、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』の重大なネタバレが含まれています。

トニー・スターク/アイアンマンの思い

マーベル・シネマティック・ユニバースのはじまりとなった、『アイアンマン』(2008)にて幕を開けたトニー・スターク/アイアンマンの物語は、『アベンジャーズ/エンドゲーム』で終わりを迎える。前作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)でサノス相手に敗北を喫したアベンジャーズは、6つのインフィニティ・ストーンを取り戻し、仲間を甦らせる。しかし、アベンジャーズの計画を悟ったサノスがアベンジャーズ基地を急襲し、ヒーローたちは突如窮地に立たされるのだ。

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ふたたびサノスにストーンを渡し、悲劇を繰り返してはならない。ドクター・ストレンジの見た「たったひとつの勝利の可能性」が今この時であると知ったトニーは、6つの石をガントレットに装着したサノスに挑むが振り払われた。しかし、「私は絶対なのだ(I am inevitable)」と言い放ち、サノスが指を鳴らしても何も起こらない。トニーはストーンを奪い取り、自分のアーマーに移していたのだ。右手に収まったストーンのエネルギーが、トニーの身体を貫く。「だったら、私はアイアンマンだ(And, I am Iron Man)」。トニーが指を鳴らすと、サノス軍は次々に塵と消えていく。ところが、トニーの身体はストーンの力に耐えられなかった。ペッパー・ポッツやピーター・パーカー、ジェームズ・“ローディ”・ローズらに見守られながら、トニーは静かに息を引き取る。

この場面で、トニーは自分の思いをまったく口にせぬままこの世を去るが、これはトニー役のロバート・ダウニー・Jr.に「起こっている状況に忠実に演じたい」との思いがあったから。しかし脚本家のクリストファー・マルクス&スティーヴン・マクフィーリーは、トニーが最後の瞬間に抱いた思いを脚本に書き記していた。

脚本では、傷ついて倒れ込んだトニーのもとに、まっさきにローディが駆けつける。しかしローディはトニーの姿を一目見るや、“遅すぎた”と悟るのだ。そこに現れたピーターは、トニーの手を取ると「スタークさん…トニー…大丈夫だよ、大丈夫。スタークさん、勝ったんだ、あなたがやったんだよ」と話しかけた。するとペッパーもやってきて、ひざまずき、フライデーにトニーの状態を尋ねる。「ねえフライデー、調子はどう?」「生命機能が危険な状態です」。

ペッパーはトニーの目を見つめ、そして理解する。「トニー、私を見て。私たちは大丈夫だから」。トニーがペッパーを見つめ返すと、その目からは涙があふれてくる。「ごめんな(I’m sorry.)」。ペッパーはトニーの顔に触れ、キスをすると、「もう休んでいいの」と語りかけるのだ。ペッパーが身体を離すと、トニーの目はもはや動いていなかった。すべてが静まり返っていく。

トニー・スタークの最期、完全解説記事はこちら

『アベンジャーズ/エンドゲーム』では、本来このシーンの直前、指を鳴らしたトニーがソウル・ストーンの力で、娘モーガンの成長した姿と対面するシーンが予定されていたという。モーガン役にはキャサリン・ラングフォードが起用され、撮影も行われたが、こちらはカットされることとなった(該当のシーンは、米国でサービス開始となったDisney+にて配信されている)。

ちなみに、現在公開されている脚本は、製作の最終段階で追加されたという「私はアイアンマンだ」のセリフも掲載されているように、映画の完成版に忠実な内容となっている。

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Sources: Avengers: Endgame (Script), Comicbook.com

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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