『アベンジャーズ/エンドゲーム』物語の結末、『インフィニティ・ウォー』執筆前に決まっていた ─ ルッソ兄弟の脚本創作術

マーベル・シネマティック・ユニバース究極の集大成、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』の結末は、前作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)の脚本を書き始める前に決まっていたという。いまや稀代のストーリーテラーとして評価されている、アンソニー&ジョー・ルッソ監督が自らの脚本術を明かした。
ルッソ兄弟の「すぐに使える脚本術」
米Colliderの取材にて「『エンドゲーム』の結末はいつから決まっていたんでしょうか?」との質問を投げかけられ、ジョー監督は率直に答えている。
「『インフィニティ・ウォー』と『エンドゲーム』の両方に取り組んでいた時、一番最初にやったのが『エンドゲーム』の結末を決めることでした。自分たちがどこへ向かうのかを知りたかったからです。行き先のわからない物語を描くのは本当に難しいんですよ。」
そこでルッソ兄弟は、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)からタッグを組んでいる脚本家コンビ、クリストファー・マルクス&スティーブン・マクフィーリーとともに具体的な作業に着手したという。
「3ページのあらすじについて、数か月間かけて話をするんです。1ページ目が第一幕、2ページ目が第二幕、3ページ目が第三幕。“ここから始まり、途中でこんな出来事が起こって、ここで終わる”といったことが分かる必要がありますから。それが分かれば、脚本を作るのはずいぶん簡単になります。短いあらすじの作業に柔軟に取り組んで、話し合いに時間を費やし、とことん考え抜く。この映画(『エンドゲーム』)がどのように終わるのかは、とても早いうちから分かっていましたね。」
そういえば『アベンジャーズ/エンドゲーム』というタイトルも、『インフィニティ・ウォー』とあわせて2作品の企画が進められていた初期段階に決められていたという。『インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』を貫く物語の全体像や結末、タイトルは同時期に検討され、そして決められていた可能性が高そうだ。
ところでアンソニー監督は、「僕たちは観客のみなさんが大好きですが、物語を組み立てている時は観客のことをほとんど考えないんです」と述べている。あくまで自分たちの感覚のみを判断材料として物語を構築し、展開の時間配分を決定していくのだとか。「自分たちのセンスと感情的な反応だけが僕らを導いてくれます」という言葉からは、培ってきたノウハウを支える思考と発想の豊かさ、そして決断力の高さがうかがえるだろう。
なお『エンドゲーム』の公開に先がけて、ルッソ監督は自身の創作術をインタビューにて開陳している。ストーリーを作り上げるうえでの工夫、脚本執筆の根幹となるポイントについては以下の記事でじっくりと読み込んでほしい。
映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』は2019年4月26日(金)全国ロードショー。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame.html
Source: Collider