『エスター ファースト・キル』23歳俳優が10歳のエスターを再演、驚愕の撮影トリックとは

今もなおカルト的人気を誇る『エスター』（2009）の前日譚映画『エスター ファースト・キル』が、2023年3月31日（金）に全国公開となる。本作最大の見どころは、前作のエスター役イザベル・ファーマンが、撮影時23歳にして10歳の少女役を再演したこと。このたび、“CG若返り”ではない撮影トリックに迫るメイキング映像が公開された。

2007年、アメリカで暮らすオルブライト家は、4年前に6歳で行方不明となった愛娘エスターの失踪事件に今なお心を痛めていた。ある日、エスターが保護されたという思いがけない知らせが夫妻のもとに届く。帰ってきたエスターは驚くほど成長し、聡明かつ才能豊か、しかも画家の父親には昔以上にべったりだった。また、あの幸せな時が帰ってくる──。しかし、母親は知っていた。この娘が別人だということを。

前日譚の製作にあたっては、「エスター役には前作で偉大な功績を残したファーマンしかあり得ない」というウィリアム・ブレント・ベル監督らスタッフの満場一致があり、ファーマンの再演が実現。ファーマン本人は、再演について「恐怖に襲われました。架空の物語だと分かっていてもカメラが回るたびに緊張してた」と当初の不安を吐露した。また、母役のジュリア・スタイルズはホラーが苦手なものの、「脚本を読む手が止まらなくて、撮影が始まるのが待ち遠しかった」と脚本を絶賛する。エスターとの身長差を出すため、スタイルズは高さ18センチの厚底ブーツを履いて走るという苦労もあった。

エスターがアメリカに来た経緯や過去が明かされる本作について、監督は「イザベルが少女を演じる。今から楽しみで仕方ない、みんなやる気だよ」と期待をにじませる。映像の中には、ボディダブル（代役）を務めた少女2人の姿も。ファーマンは「私を小さく見せるために様々な工夫を凝らしています。ひとつの方法が2人のボディダブルに演じてもらうこと。2人との共演は最も楽しかった」と語った。

前作とは異なるアプローチも見どころのひとつだが、ベル監督や原案・プロデューサーのアレックス・メイスがこだわったのは、地に足の付いた映画作り。CGに頼らず、遠近法や特定のアングルでの撮影など昔ながらの“映画のマジック”を使い、代役やスタントマンも参加して、本編の9割は実際に撮影現場で撮られたもの。映画的トリックでスクリーンに戻ってきた10歳のエスターが見せる新たな怪演に注目してほしい。

映画『エスター ファースト・キル』は2023年3月31日（金）公開。