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マーベル野心作『エターナルズ』は「スーパーヒーロー」の見方を変える ─ アンジェリーナ・ジョリー&マーベル社長が早くも賛辞

エターナルズ

2021年のマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)は、新たなヒーローチームの初登場も控えている。新作映画『エターナルズ(原題:Eternals)』は、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)を経た世界を主な舞台に、古代から地球に存在した異星人・エターナルズの面々が、人類最古の敵・ディヴィアンツと戦うべく立ち上がる物語だ。

本作でMCUに初参加となるのが、宇宙のエネルギーから武器を形づくる能力の持ち主、女戦士・セナ役のアンジェリーナ・ジョリーだ。英Vogueでは、脚本・監督のクロエ・ジャオの構想を気に入ったことからマーベル映画への参戦を決めたことを明かしている。

「私は今回集まったキャストが大好きなんです。私が出演を決めたのは、“スーパーヒーロー”というものの見方を変えようというクロエのビジョン、そしてマーベルの取り組みをサポートしたいと思ったから。40代になってゴールドのボディスーツ姿で走り回るなんて想像していなかったけれど、それも良いクレイジーさだと思いました。」

現時点で本作の内容は詳しく明かされていないが、7,000年もの時間を視野に収めているとも、『アベンジャーズ/エンドゲーム』以上の規模になるとも言われている。以前、ジャオ監督はキャラクターの設定について「現実の世界を反映しつつ、はみ出し者の集まりにしたかった」「最後には人種や国籍を気にせず、家族なのだと思ってほしい。何の象徴かではなく、個人の集まりとして」と話していた。さて、本作はいかなる形でスーパーヒーロー像を刷新するのか。

ジャオ監督は『ザ・ライダー』(2017)が絶賛され、最新作『ノマドランド』がベネチア国際映画祭&トロント国際映画祭で最高賞に輝いた。ゴールデングローブ賞では監督賞にもノミネートされており、アカデミー賞での健闘も期待される。マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長が米Rolling Stoneに語ったところによると、そんなジャオによる『エターナルズ』のアイデアは「史上最高のもの」だったという。

クロエは小規模でパーソナルな映画を見事に作り上げるだけでなく、壮大かつ巨大、宇宙的なことも考えていて、それが私たちのやりたかったことにぴったりと一致しました。『エターナルズ』は非常に大きく幅も広い、数世紀にもわたる物語ですが、彼女は見事にやってのけたのです。」

キャスト&スタッフの信頼をつかんだジャオ監督は、本作を「できるだけ大規模に、できるだけ小規模に作るため、制作のプロセスをまるごと私の手に委ねてもらうことができた」という。ハリウッドを代表する人気シリーズであるMCUに、インディペンデント映画から颯爽と現れた才能はどんな息吹をもたらしているのだろう。ジャオ監督は「最高の制作になったので、楽しみにしていてください」と強い自信さえにじませている

映画『エターナルズ(原題:Eternals)』は2021年10月29日(金)公開予定。

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Source: Vogue, Rolling Stone, Margaret Gardiner

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。