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『エターナルズ』監督、「マーベルはアクションを監督に任せない説」を否定 ─ 自ら絵コンテを執筆、カメラワークにもこだわり

エターナルズ
(c)Marvel Studios 2021

『アベンジャーズ』シリーズで知られるマーベル・スタジオは、アクションシーンの製作を監督に任せていない……? 一部でささやかれている噂を、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)最新作『エターナルズ』のクロエ・ジャオ監督が否定した。

噂のきっかけとなったのは、2018年、当時『ブラック・ウィドウ』(2021)の監督候補に名前が挙がっていたルクレシア・マルテルが、マーベル側から「アクションの心配は必要ありません、そっちは我々が面倒を見ますから」と言われたと述べたことだった。マルテルは「私はアクションシーンも撮りたい」と言い、同作を降板したと伝えられたのである。

米IndieWireによると、ジャオ監督はこのエピソードに納得しない様子で、「たぶん、そのお話はまったくの真実ではないと思いますし、そう答える作り手は私だけではないでしょうね」と答えたという。なにしろ自分自身が、『エターナルズ』の製作中には「一日に数時間、週に三回は、この現実世界でVFXがどんな効果を生むのかと、細部にわたって大スクリーンの前で考えなければいけなかった」というのである。

ジャオ監督は『ノマドランド』(2020)などで見せた独自の撮影スタイルを本作にも取り込んでおり、「アクションシーンでもカメラが現実的な形で存在する」ことを追求。人が風景の中を歩いている穏やかなシーンにも共通するカメラワークにこだわったという。そのため、監督はアクションを含む全シーンの絵コンテ(ストーリーボード)をまずは自分の手で描いた。その後、「素晴らしいフィルムメーカーとアーティストたちが助けてくれました」とはジャオ自身の談だ。

「マーベルには最初から、“使える道具はあるので、あなた自身の映画を作ってほしい”と言われていました」。製作の初期段階を、ジャオ監督はこのようにも振り返っている。「道具を使ったことがない私を助けるためにいてくださった、という感じ」とも言われているあたり、監督とスタジオが良好な関係性を築いていたことがうかがえる。

アカデミー賞受賞監督による初のMCU映画、アクションシーンはどんな仕上がりとなったのか。MCU史上最大の野心作ともいわれる、映画『エターナルズ』は2021年11月5日(金)全国公開

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。