Menu
(0)

Search

『ワイルド・スピード』ファミリー誕生は80年代シットコムのおかげ? ─ 知られざる秘話を『ジェットブレイク』監督明かす

『ワイルド・スピード SKY MISSION』より©Universal Pictures

映画『ワイルド・スピード』シリーズは、世界で絶大な人気を誇るカーアクション作品。車とスピードを愛する男女の生業と彼らを待ち受ける困難を描いたアツいストーリーだ。そんな『ワイスピ』が、1980〜90年代にアメリカで放送されたシットコム作品から着想を得ていたことがわかった。

これを明かすのは、シリーズ第3〜6作を手がけ、最新作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』でシリーズに復帰を果たすジャスティン・リン監督。米Entertainment Weeklyの取材に応じたリン監督は「『ゴールデン・ガールズ』は、『ワイスピ』伝説の一部なんです」と明かしている。「ゴールデン・ガールズ」とは、1985〜1992年にかけて放送されたシットコム作品。未亡人と離婚経験者で構成される4人の女性が、一つ屋根の下で共同生活をするシェアハウスの様子を描いたホームコメディだ。

ジャンルやストーリーが『ワイスピ』とは全くもってかけはなれた「ゴールデン・ガールズ」が、いかにして影響を与えたのだろうか。そのきっかけは、リン監督の過去に遡る。

「子どもの頃、『ゴールデン・ガールズ』が大好きでした。土曜の夜は『ゴールデン・ガールズ』と『Empty Nest』でしたね。それから“ハリケーン・サタデー・ナイト”と呼ばれるものもあって、3つの作品(の同じ世界)でハリケーンに見舞われてしまう回があったんです。その時初めて、“同じユニバースに全て(3作品)が存在している”と思ったんです。それが『ワイスピ5』にインスピレーションを与えたんです。全てのキャラクターを集結させて、一つのユニバースに存在させる。それが『ゴールデン・ガールズ』との繋がりです。」

“ハリケーン・サタデー・ナイト”とは、1991年11月9日の土曜日に、リン監督が言及した「ゴールデン・ガールズ」と「Empty Nest(原題)」、そして「Nurses(原題)」の3シットコム作品がクロスオーバーし、各作品の舞台であるフロリダ州マイアミをハリケーンが襲ってしまうという設定で放送された特別回。当時こそ、言葉として普及していなかった“ユニバース”展開が、この“ハリケーン・サタデー・ナイト”で実現していたのだ。マーベル・スタジオが手がけるマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に代表される“ユニバース”展開は、今やハリウッドにおけるメインストリームとなり、世間にもその考え方が浸透している。

※「Empty Nest」は「ゴールデン・ガールズ」の、「Nurses」は「Empty Nest」のスピンオフ作品。

各作品ごとにメインキャラクターを変えて展開してきた『ワイスピ』でユニバース化が実現したのは、リン監督が明かした第5作『ワイルド・スピード MEGA MAX』(2011)。同作で、第1作のブライアン役ポール・ウォーカーやドム役ヴィン・ディーゼル、第2作のローマン役タイリース・ギブソン&テズ役リュダクリスや第3作のハン役サン・カンら、今に知られるファミリーが初めて一同に会した。

『ワイスピ』で言うところのユニバースの実現は、ファミリーの集結と同義である。これを叶えるきっかけとなったのが、リン監督が少年時代に親しんだシットコム作品だったとは、なんとも興味深い。もはや“ファミリー”そのものが主題である『ワイスピ』にとって、リン監督の“ハリケーン・サタデー・ナイト”体験は必要不可欠だったということになるが、確かにそういう意味では「ゴールデン・ガールズ」も立派な“『ワイスピ』伝説の一部”である。

なお、最新作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』では、第二次“ハリケーン・サタデー・ナイト”とも言うべきか、過去に登場したファミリーが再集結を果たす。死んだと思われていたハンが奇跡の復活を遂げ、第7作『ワイルド・スピード SKY MISSION』(2015)以来の登場となるミア(ジョーダナ・ブリュースター)もファミリーの元に駆けつける。

Source: Entertainment Weekly

 

Writer

アバター画像
SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly