『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』ブライアンはどう登場? 監督が示唆

20年以上にわたって爆走を続ける人気カー・アクション映画『ワイルド・スピード』シリーズの最新作となる『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』は、2部構成となる完結編の前編だ。シリーズがファイナルへ向かう中、2013年11月に亡くなったポール・ウォーカーが演じたライアン・オコナーはどのように登場するのだろう。米Toral Filmのインタビューにて、その疑問にルイ・レテリエ監督が答えている。
「ブライアンは、『ワイルド・スピード』の世界では生きていて、前作(『ジェットブレイク』)でも彼の存在が何度も仄めかされています。第9作では車がやって来ていましたよね。それは計画されたことなのです。」
レテリエが言及した「第9作では車がやって来ていた」とは、『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(2020)のラストシーンのことだろう。ドム(ヴィン・ディーゼル)と彼のファミリーが自宅の庭で夕食を共にしようとしている時、ドムの「まだ空いている席がある」との言葉に、ブライアンの妻であるミア(ジョーダナ・ブリュースター)が「彼が向かってる」と反応するシーンだ。その次のシーンでは、青いGTRがドムの家のドライブウェイに乗りつける。ちなみに、このラストシーンと、『ファイヤーブースト』でのファーストルックとでは、レティ役ミシェル・ロドリゲスの衣装がほぼ同じであるのも意味深である。
続けて監督は、「この映画は過去と現在を行き来して、観客は過去の映像でブライアンを目にしますが、現在でブライアンを見ることはありません。それは、皆さんが納得しなければならないことなのです」と説明。『ファイヤーブースト』の予告編では、シリーズ第5作目『ワイルド・スピード/MEGA MAX』でミッションに挑むドムとブライアンの過去映像がプレイバックされた。おそらく『ファイヤーブースト』でのブライアンは、こうした過去映像での再登場が中心となるのだろう。「今もウォーカー家はシリーズの一部であり、この映画でそのことが分かるでしょう。ただ、適切な時期、適切なトーンでなければなりません」と監督は話している。
また監督は、ポールにとって『ワイルド・スピード』シリーズの遺作となった『ワイルド・スピード SKY MISSION』(2015)でメガホンを取ったジェームズ・ワンの演出についても、こう言及している。
「ジェームズ・ワンが第7作のラストでやったことは完璧だったと思います。あのトーンは完璧でした。ブライアンは彼が去った時と同じように、シリーズに再び登場しなければならないのです。」
第7作のラストシーンは、ドムとブライアンが山道を平行して車で走りながら、ドムがブライアンとの思い出を振り返る涙のシーンで幕を閉じている。ドム役のヴィン・ディーゼルも、「ブライアン・オコナーに別れを告げず、このサーガを終えるなんて想像できません」とコメントしていた。
この度のインタビューでも「現在のブライアンを見ることはない」と語られているように、監督はCGを用いてブライアンを再登場させるアイデアを既に否定。しかし、観客が納得できる形で再びブライアンにヘッドライトが当てられる可能性はありそうだ。
『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』は2023年5月19日に全国公開。
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Source:Total Film
Text:Hollywood、中谷直登