ファンタビ2『黒い魔法使いの誕生』ダンブルドア特集 ─ ジュード・ロウ好演 ニュートやグリンデルバルドへの愛情、今後の展開

『ファンタスティック・ビースト』シリーズの第2作、『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(2018)には、魔法ワールドの過去・現在・未来をつなぐキーパーソンが満を持して登場する。のちのホグワーツ魔法魔術学校の校長、アルバス・ダンブルドアだ。『ハリー・ポッター』シリーズではリチャード・ハリスとマイケル・ガンボンが演じたが、こちらでは若き日の姿をジュード・ロウが演じている。
ダンブルドア役にジュード・ロウが選ばれた理由、原作・脚本のJ・K・ローリングがジュードに語ったという秘密、ジュードによるダンブルドア像の解釈、そして今後の役割……。本記事ではあまたの情報を集約して、シリーズの鑑賞や考察に役立つ“ダンブルドア先生の教科書”としたい。
ジュード・ロウとダンブルドア

「ジュードを選んだ理由のひとつは、ジュードが『ハリー・ポッター』映画のダンブルドアと同じ性質をたくさん持っていたから」。2017年11月、こう語ったのは『ハリー・ポッター』『ファンタスティック・ビースト』シリーズのプロデューサーであるデヴィッド・ハイマンだ。「自信、目のきらめき、時に少し曖昧なところ。しかし若いエネルギーと喜びもある。[中略]愛される教師、並外れた魔法使いである説得力を理解してもらえると思います」。
のちにジュードは、『ハリー・ポッター』シリーズの原作者であり、『ファンタビ』シリーズでは脚本も手がけているJ・K・ローリングから、撮影前にダンブルドアというキャラクターについて詳しく聞かされたことを明かした。「(ダンブルドアの)背景をまるごと教えていただき、若いダンブルドアの今後についての希望もお聞きしました。それで自分の進む道がわかったんです」。こう述べるジュードは、「彼女に言われたとおりに演じました」とさえ言っているのだ。
過去にローリングは、ダンブルドアが同性愛者であること、悪の道に堕ちる以前のグリンデルバルドと恋仲だったと語っていた。ジュードも「ダンブルドアはゲイだと思う」と肯定し、『黒い魔法使いの誕生』でジョニー・デップが演じたゲラート・グリンデルバルドとの関係性は「ダンブルドアという人物や、彼の目的が何かを示すもの」だと説明している。
「ダンブルドアが多くの人間に全身全霊を捧げてきた人間だとは思いません。(グリンデルバルドとの)関係は彼を動揺させ、彼の心を氷づけにした。そして実際のところ、誰もその氷を溶かせなかったんです。」

Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights ©J.K.R.
ダンブルドアの過去に横たわるグリンデルバルドとの関係性は、そのままダンブルドアにとっての“闇”だ。その延長線上には、ダンブルドアという人物の割り切れなさがある。ニュート・スキャマンダー役のエディ・レッドメインはダンブルドアを「人を操る者」といい、ジュードは「人を指導する者」だといい、そしてプロデューサーのデヴィッド・ハイマンは「ご存知の通り、ダンブルドアはパペット・マスター(=人形遣い)」だと述べた。
「ダンブルドアには悪魔がいる。ダークサイドがある。事実、ダンブルドアとグリンデルバルドは非常に近しい存在なのです。彼は、グリンデルバルドのことを邪険にできないんですよ。彼を愛していた。本作ではその愛に触れる程度ですが、これからディープになっていきます。」

ハイマンは、ダンブルドアがハリー・ポッターだけでなくニュートを操っていることも指摘する。ダンブルドアは、グリンデルバルドやハリー・ポッターだけでなくニュートをも愛しているのだ。ジュードはJ・K・ローリングから、「ダンブルドアがニュートを愛しているのは、ニュートが魔物を愛しているから」だと聞かされたと証言した。「ダンブルドアは自分を魔物だと思っています。自分には闇があるし、起こらなければいいと願ったことを見てきたし、時には自分自身がやってきた。いつでも彼は、倫理の正しい面へ自分を引き戻そうとしています」。
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