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アクション・コーディネーターとスタント・コーディーネーターの違いとは? ─ マーベル作品の殺陣師が解説「パンチ一発も対話の一種」

デアデビル
Patrick Harbron/Netflix

アメコミ原作のスーパーヒーロー作品含め、アクション映画に絶対欠かせない要素といえば、文字通り「アクション」である。今も昔も、役者やスタントが見せる本格的なアクションは愛されるし、現在の観客は趣向を凝らした斬新なアクションを観られることを楽しみにしている。

そんなアクションシーンを形作るのが、いわゆる「ファイト・コーディネーター」「スタント・コーディネーター」と呼ばれる職業の方々。でも、実際にはどんなことをやっているのだろう?そもそも、「ファイト・コーディネーター」と「スタント・コーディネーター」の違いって何だ?

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の中でも特に「骨太」なアクションが評判の『キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー』(2014)はじめ、マーベルドラマ「パニッシャー」(2017)「デアデビル」(2015-)や、『ブラックパンサー』(2018)『アントマン&ワスプ』(2018)などでスタントやファイト・コーディネーターを務めるクリス・ブルースター氏が米Marvel News DeskのPodcastインタビューに登場、プロとして簡潔ながら分かりやすい言葉で説明してくれている。

デアデビル
クリス氏がアクションを手がけたドラマ「Marvel デアデビル」。Patrick Harbron/Netflix

ファイト・コーディネーターとスタント・コーディネーターの違い

まずはファイト・コーディネーターと呼ばれる仕事について。これは、格闘アクションや殺陣のスタイルを考案する仕事で、ファイト・コレオグラファー(殺陣師)の内容もここに含まれることになる。キャラクターを元にした動きを考案し、ストーリーを展開させる役割を持つそうだ。言わば、アクションの「振付師」とイメージするのが近いだろう。

一方でスタント・コーディネーターは、スタントの安全面にも責任を持つ役割で、使用する武器などの小道具や、アクションシーンに使う車両やスタント・ドライバーの配置なども行う。スタント・コーディネーターにとって、殺陣の仕事はあくまでも数ある仕事のうちの一つとなり、より包括的な役割となるようだ。

クリス氏によれば、「多くの場合、まずはファイト・コーディネーターから始まって、俳優と近いところで仕事を行って、そうしてアクションの考案を行っていくようになり、やがてスタント・コーディネーターになっていく」というものだという。「スタント・コーディネーターはすごく挑戦的な仕事で、”自分で全部やりたい!”という情熱が求められます」というクリスは、次のように続けた。

「これは他の方が言っていたことの受け売りになるんですが、“パンチと言っても、ただ殴るだけじゃない”と。こう言っていた他の方というのは、実はブルース・リーなんですが…。よく言われるんですが、殺陣はダンスになってはいけないんですよね。ルーティーンになってはいけないし、必ず裏には物語がある。(「デアデビル」主演の)チャーリー(・コックス)本人が一番良いことを言っていたんですけど、“パンチ一発も対話の一種だ”って。全くその通りなんですよ!格闘シーンの動きひとつひとつに、シーンが活きるか死ぬかがかかっているんです。」

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「パンチ一発も対話の一種だ」と語ったのは、ドラマ「Marvel デアデビル」主演のチャーリー・コックス。Patrick Harbron/Netflix

演じたいキャラクターは「ムーンナイト」、デアデビルとの共通点とは

マーベル作品の多くのアクションを手がけるクリス氏とあって、ここからはマーベル作品ファンお楽しみの内容だ。「実写化されている/されていない問わず、好きなキャラクターのアクションを演じられるなら誰を選ぶ?」との質問に、クリス氏は「ムーンナイト」と即答したのである。

ムーンナイトといえば、かねてよりコミックファンから映像化が熱望されている人気ヒーロー。心の病を抱えた元傭兵のマーク・スペクター/ムーンナイトは、エジプトでの任務にて重傷を負い、月の神コンシューと契約を結び、神の化身として蘇った(少なくとも本人はそう信じている)キャラクター。月の満ち欠けによるスーパーヒーローの能力を用いて、彼は白い装束に身を包み、夜の街にて戦いに臨む。マーベルドラマ「アイアン・フィスト」への登場が検討されていたり、人気俳優のロス・マーカンドが映像化に強い意欲を示すなど、ファンの間では「映像化まであと一歩」のところまで来ているような注目キャラクターなのである。

「やっぱり、多くのスーパーヒーローにとってのフィジカルなキャラ性って、すごく表層的な部分だと思うんですよ」と語るクリスは、ムーンナイトには、自身がアクションを手がけたデアデビルに似た魅力を感じているのだという。

『デアデビル』でとにかく楽しかったのは、このキャラクターが持つ深みで、この深みこそがアクションに現れていた。彼は、”俺は正義のヒーロー、悪党が現れたら直ぐにやっつけて刑務所送りにしてやるぜ”みたいなベタなキャラクターじゃない。デアデビルはよく”やりすぎ”をしてしまう、正にバランスの取れたキャラクターです。こういう要素が面白くって、殺陣を付けるのも楽しかった。敵に一撃を加えてノックアウトさせることもあれば、もう倒した敵を殴り続けるような時もある。悪党をボコボコにするのを楽しんでいるんですよね。ムーンナイトも、そんな部分がある数少ないキャラクターのひとり。精神的な深みとしては、デアデビルと同じようなところがあると思って。」

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ドラマ「Marvel デアデビル」アクションシーンの撮影風景。Patrick Harbron/Netflix

今度アクション作品を観る際は、パンチやキックのひとつひとつに込められた感情を読み取りながら、「パンチ一発も対話の一種」として観ると、より楽しみが深まるだろう。

クリス・ブルースターや主演俳優チャーリー・コックスのアクション哲学が光るドラマ「Marvel デアデビル」は、Netflixで配信中。

Marvel デアデビル | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト:https://www.netflix.com/title/80018294

Source:Marvel News Desk

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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