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【ネタバレ】『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の衝撃は『スカイウォーカーの夜明け』にどう影響したのか ─ スター・ウォーズの民主化、その次は

スター・ウォーズ/最後のジェダイ
© 2017 Lucasfilm Ltd.

この記事には、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)のネタバレが含まれています。『スカイウォーカーの夜明け』(2019)のネタバレはありません。

『スカイウォーカーの夜明け』が向き合う「難しい」課題

「『最後のジェダイ』はとっても楽しかった」と振り返るのは、『フォースの覚醒』と『スカイウォーカーの夜明け』で編集を手掛けたメリアン・ブランドンJ・J・エイブラムス監督とは、『ミッション:インポッシブル3』(2006)『スーパー8』(2011)や『スター・トレック』シリーズでも組んでいる。

「でも、サーガ完結のエピソード9でどうするのか、という面では、多くの課題を残しましたね」とメリアンが挙げるのは、物語上では生きているが、演者(キャリー・フィッシャー)が亡くなってしまったレイアと、物語上死んでしまったルーク。「これは問題ですね」と述べる。

特にルークの死は『最後のジェダイ』脚本・監督ライアン・ジョンソンの判断によるものだが、「彼が『最後のジェダイ』に取り入れたことは何だって向き合わなくちゃいけない。それも、真摯に取り組まないといけませんから、全てを考え抜くのです」とメリアンは語る。そして、それは「難しい課題」だったとも。「大きな挑戦となりましたが、J・Jとクリス・テリオ(脚本)は素晴らしい仕事をしてくれたと思います。」

J・Jは『最後のジェダイ』に感謝している

この課題を直に受け取ったJ・J・エイブラムス監督は、まずライアン・ジョンソンを称賛することから始める。

「ライアンはとんでもない才能を持った監督ですよ。『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(ライアンの新作)をもうご覧になったか分かりませんが、大好きです。とにかく、とんでもない才能の、素晴らしい語り手です。」

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』来日イベント

『スカイウォーカーの夜明け』監督の座は、もともと別の監督(コリン・トレボロウ)に委ねられる予定だったが、降板劇があったためJ・Jに戻っている。そのためJ・Jは『フォースの覚醒』当時、自分の仕事はこの1本だけだと信じていた。

「彼(ライアン)が次作(『最後のジェダイ』)に決定した頃、僕らはまだ『フォースの覚醒』の撮影を始めたばかりの頃でした。彼がどういう方向でいくのか、何をするのか、とても楽しみにしていましたよ。」

J・Jが『フォースの覚醒』で仕込んだ伏線は、『最後のジェダイ』で覆される格好となった。だがJ・Jは、『最後のジェダイ』で物語のコントロールを失ったとは考えていない。そもそも当時、次作のことを考える余裕などまったくなかったのだ。

「エピソード8についての話が上がった頃、僕はエピソード7の監督を始めたばかりだったので、(『最後のジェダイ』について)考えるのにはまだちょっと早かった。そんな脳みそもなかったし、そこまで長期間仕事で離れることに、家族の許可も取れなかったですし。」

エピソード7を作り始めたばかりなのに、その時点でエピソード8の話をするのはおかしい。子供の頃、昼食の時に母がいつも“晩ごはんは何がいい?”って言うんですよ。“母さん、まだお昼食べてるところなのに、晩ごはんの話する?”みたいな。母はいつも“次の話”をしていて。そんな感じですよ。」

J・Jにとって『最後のジェダイ』は、完結編『スカイウォーカーへの夜明け』への手はずを整える役目を担う作品だ。とりわけ、レイ、フィン、ポー・ダメロンの主要トリオは、『最後のジェダイ』のおかげで一層のカタルシスを用意できることになった。

「面白かったのが、僕は最初“(キャラクターの)みんなが一緒になるところが見たいな”と思ってたんですけど、『最後のジェダイ』はそうならなかったでしょ。レイは最後の場面までポーと会わないし、レイとフィンも一緒にいない。つまり、彼の物語は色々な意味で僕らのエピソード9へのセットアップをしてくれたんです。エピソード9で、彼らがひとつになって冒険に繰り出せるように仕上げてくれた。3作目にして、初めて彼らがひとつになるんです。

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け
(C) 2019 ILM and Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

このようにJ・Jは、『スカイウォーカーの夜明け』で『最後のジェダイ』の流れを適切に汲み取ろうとしたようだ。

ライアンが『最後のジェダイ』に仕込んでくれた多くのディティールやストーリーのポイントが、今作にも続いている。ライアンの決断がなければ、今作はこうならなかったと思います。だから、ただただ感謝しかないです。

スター・ウォーズの民主化

他方、米Rolling StoneではJ・Jと共に『スカイウォーカーの夜明け』の脚本を書いたクリス・テリオが、『最後のジェダイ』が明示したメッセージをどう受け取ったかについて、脚本家の立場から答えている。曰く『最後のジェダイ』がやったことは、「スター・ウォーズの民主化」なのだと。

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』記者会見
スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』脚本のクリス・テリオ。本作の来日記者会見にて。

「つまり、あなたの血統、血筋が必ずしもあなたを決めるわけではないですよ、あなたの過去があなたの未来を作るわけではないですよ、ということです。私たちはこの挑発的なアイデアを、『スカイウォーカーの夜明け』でも取り組んで、さらに掘り下げられたら良いなと受け止めました。何もないところからやって来たのか、優れた血筋があるのか、どっちにしたって弁証法のようにはいかないと思うんです。その間には様々ある。カイロ・レンの説明もそうで、(レイに)“お前は何者でもない”と言っていましたけど、それってどういう意味なのか?レイがそう思っているということなのか?そもそも、そんな疑問を考えていたのだろうか?」

「ライアンが出したこの考えは有効だと思います」というクリスは、「特に3作もあるようなシリーズものの映画って、会話みたいなんですよね」と語っているが、これこそがシークエル3部作を象徴するものだろう。ルーカスフィルムのキャスリーン・ケネディは、各作で異なる監督が「自分のやりたい表現の中で言いたいことを言うべき」であり、3部作の調子を予め固めなかった理由について「固められるものなんてない」「可能性に満ちているから、何も先に決めてしまう必要なんてない」と説明した

こうして発生したのが、クリスの言うところの“会話”なのである。これは『スカイウォーカーの夜明け』に続いていて……。

「『フォースの覚醒』で、レイとは誰か、どこから来たのかと尋ねれば、『最後のジェダイ』はある方法で、否定的に答えた。『スカイウォーカーの夜明け』ではこの2つを取り入れて、第3のものを作りますよ。

映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は2019年12月20日(金)日米同時公開

Source:AwardsDaily,Popcorn with Peter Travers,Kevin Polowy(via Collider),Rolling Stones

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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