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「コケた」訳じゃない!『ブレードランナー』のように時代を経て評価された映画&人物ランキング

ブレードランナー
TM & ©2017 The Blade Runner Partnership. All Rights Reserved.

ブレードランナー』(1982)の続編『ブレードランナー2049』がついに全米で公開となった。リドリー・スコット監督の代表作である『ブレードランナー』はSF映画史に残る金字塔として現在では高い評価を得ている。しかし、公開当時は動員が芳しくなく、批評家受けも良くなかった。難解な内容について映画ファンたちが繰り返し議論しているうち、カルトムービーとして知名度を挙げていったのだ。

ブレードランナー
TM & ©2017 The Blade Runner Partnership. All Rights Reserved.
そこで、今回は『ブレードランナー』のように、リアルタイムから時間をかけて評価を得た作品、クリエイター、俳優を独自にランキング化して発表する。

注意この記事で発表するランキングはライターの評価によるものであり、THE RIVERを代表するものではございません。

 10位 市民ケーン(1941)

Public Domain
映画ファンに「史上最高の映画は?」と聞くのは一番の難問だが、「史上最高とされている映画は?」と尋ねれば、ほとんどのファンが『市民ケーン』の名を挙げるだろう。名匠、オーソン・ウェルズの処女長編にして、巧みな編集、練りに練られた脚本、素晴らしい演技の三拍子そろった非の打ち所がない大傑作だ。今でも批評家を対象に「史上最高の映画アンケート」をとれば常にベスト10入りは固いだろう。

しかし、公開当時は批評、興行ともに散々な結果に。主人公のモデルとなった新聞王のウィリアム・ランドルフ・ハーストが圧力をかけたからだといわれている。雑音がなくなった後世で正当な評価を得た映画なのだ。 

9位 デヴィッド・キャラダイン

lukeford.net
仕事がなくなっていたスター俳優にオイシイ役どころを与え、「俳優再生工場」ともいえる功績を残してきたクエンティン・タランティーノ。ハーヴェイ・カイテル、ジョン・トラヴォルタなどもタランティーノの恩恵にあずかってきた。『デス・レース2000年』(1975)のフランケンシュタイン役のデヴィッド・キャラダインに『キル・ビル』シリーズで久しぶりの大役をプレゼントしたのが感動的だった。

『デス・レース2000年』共演者ではシルベスター・スタローンの出世ぶりに目を奪われがちだが、『ロッキー』以前の評価はまるで逆。キャラダインこそがスターであり、映画ファンの憧れだったのだ。ようやく再評価がされてきた2009年の急死は本当に残念。

8位 ジョン・ヒューズ

『すてきな片想い』(1984)『ブレックファスト・クラブ』(1985)などの青春映画の監督、プロデューサーとして80年代に作品を量産したが、いずれも大ヒットにはいたらず。90年代以降は『ホーム・アローン』(1990)や『ベートーベン』(1992)などのファミリームービーの脚本家として知られるようになる。

しかし、リチャード・リンクレイターやケヴィン・ウィリアムソンたち次世代のクエイリターたちがヒューズの青春映画に影響された作品群を発表。時代が経つにつれその功績は大きくなるばかりだ。

7位 ショーシャンクの空に(1994)

批評家にとっての最高の映画が『市民ケーン』なら、映画ファンにとっての最高の映画は『ショーシャンクの空に』ではないだろうか。しかし、発表当時は大ヒットとまでいかず、賞レースでは『フォレスト・ガンプ 一期一会』(1994)の後塵を拝むばかり。その後、ソフト化された後で人気が爆発。現代では『フォレスト・ガンプ』との評価は完全に入れ替わったといえるだろう。

本作の良さはストーリーが普遍的で、時代を選ばずに感動できること。また、モーガン・フリーマンをはじめとする助演俳優たちの演技も素晴らしい。シンプルな魅力は気づかれにくいが、発見されれば深く心に刻まれるのだ。

6位 ジャン・ヴィゴ

Public Domain
1905年生まれのフランス人映画作家で、わずか29歳で病死するまでに4本の映画作品しか残せなかった悲劇の人。しかも、自作はことごとく興行的に振るわなかったばかりか、検閲に引っかかり上映すら許されなかったものもあった

Writer

石塚 就一
石塚 就一就一 石塚

京都在住、農業兼映画ライター。他、映画芸術誌、SPOTTED701誌などで執筆経験アリ。京都で映画のイベントに関わりつつ、執筆業と京野菜作りに勤しんでいます。

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