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X-MEN『ガンビット』単独映画の製作遅延、リブート版『ファンタスティック・フォー』の影響あった ─ 「予算が大きく削られて」

チャニング・テイタム
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/35732523270/

2015年から企画が存在しながら、いまだ日の目を見ていない『X-MEN』シリーズのスピンオフ映画、『ガンビット(邦題未定、原題:Gambit)』の製作遅延の背景に、リブート版『ファンタスティック・フォー』(2015)の影響があったという。監督を務める予定だった、『猿の惑星:創世記』(2011)のルパート・ワイアット監督がThe Beatのインタビューにて明かしている。

当時から『ガンビット』の映画化を進めてきたのは、『21ジャンプ・ストリート』『マジック・マイク』シリーズの俳優チャニング・テイタム。自ら主演・製作を兼任する予定で、監督にはルパートが就任。チャニングの出演作品をプロデュースしてきた、パートナーのリード・キャロリンが脚本家・プロデューサーとして携わっていたという。

『ガンビット』突然の製作費削減

ルパート監督は当時を振り返って、「チャニングやリードとはしっかり作業をしていたんですよ。リード、脚本家のジョシュア・ゼトゥマーと一緒に脚本の作業をしていました」と話している。それでも製作に至らなかったのは、製作・配給を担当する20世紀フォックスの“とある判断”がきっかけだった。

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「撮影が迫っていて、10週間後に始まる予定だったと思います。結局は予算が問題だったんです、(金額が)足りなくて。みなさん、この業界の事情はとてもよくご存知ですよね。フォックスは1ヶ月前に『ファンタスティック・フォー』を公開したんですが、それがあまりうまくいかなかった。それで、僕たちの予算が相当削られてしまいました。」

2015年8月に米国公開されたジョシュ・トランク監督によるリブート版『ファンタスティック・フォー』は、製作費1億2,000万ドルの大作映画ながら、全世界興行収入は約1億6,800万ドルと厳しい結果に終わった。批評家やファンの評価も高いとは言いがたく、これを受けてフォックスは『ガンビット』の製作に及び腰となり、製作費をカットする決断を下したものとみられる。

ところが、もちろんルパート監督はその判断を受け入れられなかった。製作費を削られてしまえば、満足のいくクオリティで脚本を映像化できるとは限らないからだ。

僕としては、“だったら予算に合わせて脚本を書き直さないと”と言わざるをえなかった。だけど、フォックスの求める撮影時期が近づきすぎていて。それで残念ながら実現しなかったんです。」

ルパート監督が『ガンビット』を離脱したのは2015年10月のこと。その後、2016年8月には後任者のダグ・リーマン監督もプロジェクトを去り、2017年10月に就任した『パイレーツ・オブ・カリビアン』ゴア・ヴァービンスキー監督も2018年1月に降板している。2019年1月には、ついにチャニングが監督を務めるという噂も伝えられた

2019年3月現在、フォックスはディズニーとの事業統合完了を間近に控えている。『ガンビット』を含め、フォックスが権利を有するマーベル・ヒーローの映像化企画はすべて凍結状態にあるようだ。ルパート監督は、現在でも『ガンビット』の実現を祈っていることを語った。

「僕が知っているのは、チャニングには本当にすばらしいアイデアがあるということだけ。どんな映画になりうるのか、どんな映画にすべきなのかね。チャニングとリードは今でも頑張っていますよ。だからディズニーの時代になって、二人が映画を作れることを願っています。」

映画『ガンビット(邦題未定、原題:Gambit)』の撮影・公開時期は未定。果報は寝て待て…!

Sources: The Beat, Box Office Mojo

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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