X-MEN『ガンビット』単独映画の製作遅延、リブート版『ファンタスティック・フォー』の影響あった ─ 「予算が大きく削られて」

2015年から企画が存在しながら、いまだ日の目を見ていない『X-MEN』シリーズのスピンオフ映画、『ガンビット(邦題未定、原題:Gambit)』の製作遅延の背景に、リブート版『ファンタスティック・フォー』(2015)の影響があったという。監督を務める予定だった、『猿の惑星:創世記』(2011)のルパート・ワイアット監督がThe Beatのインタビューにて明かしている。
当時から『ガンビット』の映画化を進めてきたのは、『21ジャンプ・ストリート』『マジック・マイク』シリーズの俳優チャニング・テイタム。自ら主演・製作を兼任する予定で、監督にはルパートが就任。チャニングの出演作品をプロデュースしてきた、パートナーのリード・キャロリンが脚本家・プロデューサーとして携わっていたという。
『ガンビット』突然の製作費削減
ルパート監督は当時を振り返って、「チャニングやリードとはしっかり作業をしていたんですよ。リード、脚本家のジョシュア・ゼトゥマーと一緒に脚本の作業をしていました」と話している。それでも製作に至らなかったのは、製作・配給を担当する20世紀フォックスの“とある判断”がきっかけだった。
「撮影が迫っていて、10週間後に始まる予定だったと思います。結局は予算が問題だったんです、(金額が)足りなくて。みなさん、この業界の事情はとてもよくご存知ですよね。フォックスは1ヶ月前に『ファンタスティック・フォー』を公開したんですが、それがあまりうまくいかなかった。それで、僕たちの予算が相当削られてしまいました。」
2015年8月に米国公開されたジョシュ・トランク監督によるリブート版『ファンタスティック・フォー』は、製作費1億2,000万ドルの大作映画ながら、全世界興行収入は約1億6,800万ドルと厳しい結果に終わった。批評家やファンの評価も高いとは言いがたく、これを受けてフォックスは『ガンビット』の製作に及び腰となり、製作費をカットする決断を下したものとみられる。
ところが、もちろんルパート監督はその判断を受け入れられなかった。製作費を削られてしまえば、満足のいくクオリティで脚本を映像化できるとは限らないからだ。
「僕としては、“だったら予算に合わせて脚本を書き直さないと”と言わざるをえなかった。だけど、フォックスの求める撮影時期が近づきすぎていて。それで残念ながら実現しなかったんです。」
ルパート監督が『ガンビット』を離脱したのは2015年10月のこと。その後、2016年8月には後任者のダグ・リーマン監督もプロジェクトを去り、2017年10月に就任した『パイレーツ・オブ・カリビアン』ゴア・ヴァービンスキー監督も2018年1月に降板している。2019年1月には、ついにチャニングが監督を務めるという噂も伝えられた。
2019年3月現在、フォックスはディズニーとの事業統合完了を間近に控えている。『ガンビット』を含め、フォックスが権利を有するマーベル・ヒーローの映像化企画はすべて凍結状態にあるようだ。ルパート監督は、現在でも『ガンビット』の実現を祈っていることを語った。
「僕が知っているのは、チャニングには本当にすばらしいアイデアがあるということだけ。どんな映画になりうるのか、どんな映画にすべきなのかね。チャニングとリードは今でも頑張っていますよ。だからディズニーの時代になって、二人が映画を作れることを願っています。」
映画『ガンビット(邦題未定、原題:Gambit)』の撮影・公開時期は未定。果報は寝て待て…!
『ガンビット』の記事
『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』チャニング・テイタム、ガンビット再演とは認めず ─ 「あれは僕の椅子、ガンビットの椅子じゃない」 まさかね 【解説】『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』旧X-MENメンバー復活の意味するところ ─ なぜビーストだけ椅子の場所が違うのか? X-MENは帰ってくる── 『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』キャスト27名が突如発表、一覧 ─ 旧X-MEN勢が怒涛の復帰、プロフェッサーXとマグニートー役揃って帰還 すべてはドゥームへと続く 『X-MEN』幻のガンビット単独映画、「スクリューボール・ラブコメディ」の計画だった ─ 「頓挫するはずないと思った、撮影日も決まっていた」 チャニング・テイタム主演で企画されていました デッドプール、今後は脇役に?ライアン・レイノルズが将来を示唆「ガンビットか誰かの映画で5番手をやりたい」 単独映画はなさげ?
Sources: The Beat, Box Office Mojo