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ジェラルド・バトラー「映画館のありがたさ、無くなってみて気づく」 ─ 『グリーンランド』とコロナ禍

グリーンランドー地球最後の2日間ー
© 2020 STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

無数の隕石によって地球が崩壊の危機に陥るディザスターアクション大作『グリーンランド─地球最後の2日間─』が日本公開となった。

突如現れた彗星の破片が隕石となり地球に衝突。各国の大都市が破壊され、更なる巨大隕石による世界崩壊まで残り48時間。刻一刻とタイムリミットが迫る中、政府に選ばれた人々の避難が始まる。しかし、人々はパニックに陥り、やがて世界は無法地帯と化していく……。

主人公を演じるのは、これまで『ジオストーム』(2017)でも地球崩壊の危機で戦ったジェラルド・バトラー。『エンド・オブ』シリーズでは最強シークレットサービス、大統領絶対守るマンことマイク・バニングとしてたくましいアクションを見せたが、本作で演じるのは、パニックに翻弄される「普通の父親」だ。

そんなジェラルド・バトラーのオフィシャル・インタビューがTHE RIVERに到着している。

『グリーンランド』ジェラルド・バトラー オフィシャルインタビュー

── 映画『グリーンランド─地球最後の2日間─』のような災害が起こった時にどんな状況になるか、リサーチはしましたか?

もちろん。リック(ローマン・ウォー監督)ほどではないですが。僕らはたっぷりと話し合いをし、その中では、実際に起きたらどうなるかについて、意見が分かれることもありました。

最初の案では、彗星はひとつでした。でも、いくつかあったほうがアクションも増えるから、そうしたのです。そうすることで、大きなひとつの出来事をひたすら待つという映画にならなくてすみました。次々に何かが起こり、そこでドラマが出てきて、災害の影響を描くことができます。その時社会がどうなるのかも。

この映画で見ることの多くがパンデミックで実際に起こったのは奇妙ですよね。こういう状況は、人の悪いところと良いところを露呈するものですね。

『グリーンランドー地球最後の2日間ー』
© 2020 STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

── 今作も含め、あなたは映画の中で大変な状況を何度も乗り越えてきていますが、それは今年、実際に起きた出来事に対処する上で役に立ちましたか?

撮影現場で、「これが実際に起こったらどうだろう?」というのは、もちろんよく考えることでした。でも、今年は本当にそれが起こってしまいました。そして「自分は映画で自分が演じたキャラクターのようにふるまえるのか?」と考えることになりましたね(笑)。

映画でヒーローを演じる時、観客がそこからインスピレーションを得て、彼らの人生でそれを使うことを願います。自分自身を向上するなり、正しいことをやるなり。今回は自分がそうする立場になったわけです。それでも、自分は精神的にも感情的にも、今の事態に対応する準備が結構できていたと思います。

この状況は辛かったけれども、メディアに踊らされて深刻な恐怖に陥るというようなことはありませんでした。世間が煽る恐怖は、ウィルスそのものよりも怖かったりしますよね。

── コロナの恐怖がまだある中、人はこの映画を見たいと感じると思いますか?

人はそう感じてくれると、僕はすでに知っています。僕はコロナ前にこの映画を観客と一緒に見て、その時も観客はすごく気に入ってくれました。そして最近もまた観客と一緒に見たら、パンデミックを経験したからか、人はもっと共感してくれて、映画の中で起こっていることをもっと理解してくれたようでした。パンデミック前には架空の話だったことが、今では実際に起こったことに似ていると感じるんですよ。

だけど、これがエスケープ映画であることに変わりはありません。彗星が地球にぶつかる話で、それは本当には起こらないのです。だから見終わって、「今の世の中も大変だけど、この映画で起こったことよりはマシだ」と思うんです。少なくとも今の世の中は人口の9割が死ぬという状況ではないですからね。

『グリーンランドー地球最後の2日間ー』
© 2020 STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

──  俳優という職業では、きっと、グリーンランドに行かせてもらえる人のリストには入りませんよね?そこに入れてもらえるためのスキルを、あなたは何か持っていますか?

ちょうどこのテーマで映画を作ろうと思っていたんです、というのはダメですかね?だから自分はここに入るべきなんです、と。それでダメと言われたら、もうほかの手はないですね(笑)。

──  残念ですね。

君たちだってダメですよ。ジャーナリストと俳優は優先順位の一番下です(笑)。

── 『エンド・オブ・ステイツ』(2019)では、ケガをして手術をこなしながら、激しいアクションシーンを撮影しましたね。それに比べたら今回のアクション撮影はマシだったのでしょうか?

そうですね。今回難しかったのは、脚本の12ページ目からずっと続く感情面の緊張感を保ち続けることでした。(映画が始まって)12分くらいから映画が本格的に始まり、あとはノンストップになります。それを2ヶ月ほどで撮影したのです。

殴り合いのシーンでは、僕はあえてやられる方になっています。僕が演じる男は普通の父親で、ファイターではありません。さらに彼はすごく疲れているし、絶望的な気持ちでいます。それでも戦うのは、彼が死んだら家族を守ることができないからです。自分が戻れなかったら待っている子供も死ぬという動物と同じ。すべてのテイクを、そんなふうに絶望的で疲労感たっぷりに演じるのは、かなり大変でしたね。

── ヒーローには、やられても屈せず立ち直る強さがなければなりません。あなたにはそれがあると思いますか?

そういう状況が訪れたら僕は屈せず立ち直るタイプです。時には自業自得でそういう状況になることもあります。

良い例のひとつはバイクの事故。あの事故で僕は足の骨を5つも折ることになり、4日間歩けなかったのです。トイレにも這って行きました。なのに、5日目には、5週間に及ぶ(映画の宣伝)ツアーに出かけないといけなかったのです。空港に行って、飛行機に乗って、たくさんのインタビューを受け、トーク番組に出たりするんです。何もなかったような顔をして。

『エンド・オブ・ステイツ』の撮影中も手術をして、35針も縫っています。その翌日にも撮影したんですよ。「傷口が開いたかな?」と常に気にしながら。
これからは、そもそもそういう状況にならないようにして、そういうふうに立ち直る強さを見せる機会をなくすことが大事だと思っています。

── コロナで映画界はどんな影響を受けると思いますか?

それを心配しても仕方がありません。これはすばらしい映画で、ビッグスクリーンで見てもらうべきです。そして、コロナが映画業界に大きな影響を与えることは、間違いないでしょう。その前からこの業界はすでに苦戦していました。これを乗り越えた後、業界はまた少し痩せ細るのではないでしょうか。映画の数も、スタジオの数も、映画館の数も減ると思います。それでも、(生き残るための)正しい道を見つけると思いますよ。

映画館のありがたさは、無くなってみてあらためて気づくとも思います。このパンデミックの間、多くの人が、映画館を恋しく感じていました。映画館で映画を見るというのは、僕らの文化における重要な部分なんですよ。良い映画は、映画館で見る方がずっと楽しいです。

『グリーンランド』を見たジャーナリストにも、「この映画、とても面白かったです。でも、家でひとりで見るのでなく、映画館で見ていたらもっと楽しかっただろうなと思います。ほかの人たちがいることで、感情も高まるし、みんな一緒にその世界にいるように感じますから」と言われました。僕も同感です。良い映画を見て映画館を出る時、見知らぬほかの観客が知り合いのように感じるものです。今、同じ経験を一緒にしたから、そう思うのでしょう。

グリーンランドー地球最後の2日間ー
© 2020 STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

『グリーンランド ─地球最後の2日間─』は公開中。

Writer

THE RIVER編集部
THE RIVER編集部THE RIVER

THE RIVER編集部スタッフが選りすぐりの情報をお届けします。お問い合わせは info@theriver.jp まで。

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