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マーベル『ウェアウルフ・バイ・ナイト』監督、古典モンスター映画『放射能X』リブート企画に抜擢 ─ 人気作曲家、ついに長編監督デビュー

マイケル・ジアッキーノ
Photo by NASA/Aubrey Gemignani https://commons.wikimedia.org/wiki/File:NASA_Celebrates_60th_Anniversary_with_National_Symphony_Orchestra_(NHQ201806010022).jpg Remixed by THE RIVER

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)『ウェアウルフ・バイ・ナイト』(2022)のマイケル・ジアッチーノ監督が、“本家”の古典モンスター映画『放射能X』(1954)のリブート企画に就任したことがわかった。米Deadlineが報じている。

『ウェアウルフ・バイ・ナイト』は、マーベル・コミックのキャラクターであるウェアウルフ・バイ・ナイト/ジャック・ラッセルを初めて実写化した中編作品。“ハロウィン・スペシャル”という新機軸のもと、モノクロの映像、1930~40年代の古典ホラー映画へのオマージュ、なるべく実写撮影にこだわった演出などが高く評価された。『放射能X』のリブート企画を指揮するワーナー・ブラザースのジェシー・アーマン氏も、本作に圧倒された一人だったという。

監督を務めたマイケル・ジアッチーノは、MCU版『スパイダーマン』3部作や『ドクター・ストレンジ』(2016)のほか、『ジュラシック・ワールド』シリーズや『THE BATMAN―ザ・バットマン―』(2022)『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)などの音楽を手がけてきた人気作曲家。『ウェアウルフ・バイ・ナイト』は監督としては初めてのメジャー中編作品で、『放射能X』リブート版は自身初の長編映画となる。

オリジナル版『放射能X』は、奇しくも『ゴジラ』(1954)と同年に製作された、“放射能によって変異した巨大アリ”が人間と対決する古典モンスター映画の傑作。ニューメキシコの砂漠にて、蟻酸によって男性が死亡する事件が発生。調査の結果、原爆実験による放射能が巨大アリを生み出し、女王アリがロサンゼルスに向かっていることが判明する。政府は巨大アリの群れを殲滅する作戦に乗り出すが……。

ジアッチーノはリブート版の実現に向け、すでに脚本家との面会を進行中。『ウェアウルフ・バイ・ナイト』に続いて自らが作曲を兼任するほか、同作のメイキング番組「ウェアウルフ・バイ・ナイトの裏側」(2022)を監督した、兄でドキュメンタリー監督のアンソニー・ジアッチーノも企画に関与する計画だという。

『放射能X』を「生涯忘れがたい映画」だと語るジアッチーノは、オリジナル版で核や放射能が描かれたことを踏まえて、より現代的なテーマをはらむリブート版を構想している模様。原題が『Them!』であることから、ジアッチーノは「“Them”とは他者、つまり受け入れられない、理解できない未知の存在のこと。現代版の『放射能X』では、強烈なSFモンスター映画というレンズを通じて移民の物語を描きます」と語った。

Source: Deadline

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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