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『007』ベン・ウィショー、過酷な医療現場の実話コメディドラマに主演 ─ 週97時間労働、人の生死を左右する激務、給与は駐車料金以下

ベン・ウィショー
© PacificCoastNews/Avalon.red 写真:ゼータ イメージ

『007』シリーズのQ役や『パディントン』シリーズのベン・ウィショーが、イギリスの医療現場を舞台とするコメディドラマ「This Is Going to Hurt(原題)」で主演を務めることがわかった。米The Hollywood Reporterなどが報じている。

本作は、元医師のコメディアン&脚本家であるアダム・ケイの回顧録『すこし痛みますよ〜ジュニアドクターの赤裸々すぎる日記』(羊土社)をドラマ化するもの。「ジュニアドクター」とは、医学の学士取得後、総合診療医やコンサルタントといったポストに就いていないなど、監督なしで医療に従事する認可を得ていない者のことで、日本の研修医とは異なり、イギリスでは医師全体の約半分がジュニアドクターともいわれる。原作はアダム自身の経験から、過酷な医療現場の様子がユーモアたっぷりに描かれた。

ドラマ版は英BBCと米AMCの共同製作で、全8話構成。ベン・ウィショー演じるアダムは、週97時間労働、人間の生死を左右する決断を日常的に強いられるという激務をこなしながらも、病院のパーキングメーターのほうが自分より稼いでいるという現実を突きつけられていた。また、アダムは重い責任を引き受けるべき年齢ではあったが、長時間労働に対応できるほど熟達した医師ではない。仕事の日々、病院の階級社会で大きなストレスを抱えながら、アダムは自分のプライベートに執着する……。

原作者であるアダム・ケイがドラマ版の原案・脚本・製作総指揮を務め、エピソード監督には「このサイテーな世界の終わり」シーズン2(2019)のルーシー・フォーブスが就任し、前半4話を手がける。なお、製作総指揮には「チェルノブイリ」(2019)「Giri / Haji」(2019)のジェーン・フェザーストーンらも名を連ねた。

発表にあたり、アダムはベン・ウィショーに「我が国が生んだ最高の俳優の一人であり、正真正銘の国宝」「僕(のハンサムバージョン)を演じるのに、彼以上の人物はいません」との賛辞を贈った。一方、ベンもアダムの原作を「誠実で、笑えて、心に刺さる」との絶賛し、コロナ禍にあって医療従事者の存在や仕事ぶりに光が当たっていること、また支援が必要であることにも言及。「アダムの言葉に命を吹き込めること、この物語を伝えられることを楽しみにしています。参加できて本当に光栄です」とコメントした。

ベン・ウィショー出演最新作『リトル・ジョー』

Sources: The Hollywood Reporter, TV Line

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。