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「ゲーム・オブ・スローンズ」完結に批判殺到の理由、ティリオン役が持論 ─ 「なぜそういう捉え方になってしまうのか」

ゲーム・オブ・スローンズ 第六章:冬の狂風
©2020 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc.

2010年代を代表するドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」(2011-2019)の完結を巡って批判が殺到した理由について、ティリオン・ラニスター役を演じたピーター・ディンクレイジが、米The New York  Timesで持論を語っている。

この記事には、「ゲーム・オブ・スローンズ」のエンディングについてのネタバレが含まれています。必ず本編をご覧になった後にお楽しみください。

ゲーム・オブ・スローンズ 第七章:氷と炎の歌
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エンディングへの批判があった理由は、仲を切り裂いてしまったことに怒っていたからだと思います」。ディンクレイジが言及しているのは、エミリア・クラーク演じるデナーリス・ターガリエンとキット・ハリントン演じるジョン・スノウを巡る結末について。それぞれ指導者の立場にあったデナーリスとジョンは、共通の敵のために同盟を組み、その過程で関係を恋人に発展させていった。しかし、最終話『鉄の玉座』では、ラニスター家に側近を殺されてしまったデナーリスが暴走し、ドラゴンに都を焼き払わせてしまう。玉座を前に、ジョンに新世界の創造を持ちかけたデナーリスだったが、胸を刺され、死んでしまった。

ある種の悲劇をもって幕を閉じたドラマについて、ディンクレイジは「ふさわしいタイミングだったと思います」と振り返る。インタビュアーから、「ハッピーエンドが望まれていたんじゃないですか?」と聞かれると、「夕陽に向かって去っていくみたいなエンディングを望まれる方もいますよね」とディンクレイジ。このように一定の理解を示しながらも、「ゲーム・オブ・スローンズ(玉座の取り合い)」というタイトルを踏まえて、エンディングに込められた意味を説明している。

「あの作品は、皆さんの考えていたことを覆しました。僕はそこが気に入っているんです。確かに『ゲーム・オブ・スローンズ』とは呼ばれていましたよ。それにしても、エンディングが近づいていた当時、街中で聞こえてきたのは“誰が玉座に座るのか”ということだけでした。なぜそういう捉え方になってしまうのか、僕には分からなかった。だって、作品にはそれ以上の意味があったんですから。

デナーリスが刺された後、ドラゴンの“ドロゴン”が現れ、“母親”の死を目の当たりにする。そして、今まで人間が争ってきた玉座を一瞬にして焼き尽くしたのだった。このシーンを、ディンクレイジは「お気に入りの場面の1つです」と語る。「だって、あの(街中での)会話を一瞬にして断ち切ったんですから。常識にとらわれない素晴らしい瞬間でした。クリエイターたちが伝えたかった“そういうことじゃないんです”という主張を代弁したんです」。

こう持論を語ったディンクレイジだが、2019年の完結後には、一部ファンの間で作り直しを求める署名活動が起きている。さらに原作者であるジョージ・R・R・マーティンも、ドラマの継続を望んでいたことが伝えられるなど、ディンクレイジのように結末に満足していたわけではない者が一定数いるのも確かだ。

ちなみに、ディンクレイジは批判が起きたことについて、「ファンの方々はもっと望んでいたんですよ。じゃないと日曜の夜に何をしたら良いか分からなくなってしまう」とも話したが、この「ゲースロ」ロスもまもなく解決される。2022年には「ゲーム・オブ・スローンズ」の新作ドラマ「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン(原題)」が米配信開始となるのだ。さらに、このほか複数のスピンオフが企画されているなど、「ゲーム・オブ・スローンズ」の治世が再びやってくる。

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Source: The New York  Times

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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