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「ゲーム・オブ・スローンズ」原作者、ドラマの結末に複雑な胸の内「別の展開にいってしまった」 ─ 小説では違うエンディングを約束

ゲーム・オブ・スローンズ 最終章
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世界的人気を博したドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」(2011-2019)の原作者として知られるジョージ・R・R・マーティンが、ある複雑な心境を明かしている。

「ゲーム・オブ・スローンズ」生みの親であるマーティンは、1996年に小説第1作『七王国の玉座』を出版。1998年には第2作『王狼たちの戦旗』、2000年に第3作『剣嵐の大地』、2005年に第4作『乱鴉の饗宴』が刊行された。ドラマがスタートした2011年に久々の続編『竜との舞踏』が発表されたが、それ以来新作は出ていない。2019年に完結を迎えたドラマ版に対して、小説版のストーリーは今も続いており、原作小説は7部作となることが判明している。

マーティンが複雑な思いを抱くのは、ドラマが小説のストーリーを追い越してしまったこと。2010年代を代表するファンタジードラマとなった「ゲーム・オブ・スローンズ」について、「私の人生を変えてくれました。大体が良い方向にです」と米番組に話すマーティンは、「けど振り返ってみると……」と切り出した。

「ドラマシリーズが始まった時、私は刊行済みのもので4冊の本を書いていました。5冊目は、2011年に放送が始まってちょうど後に出版されました。なので5冊分の余裕があったんです。ご存知の通り、並外れた規模の本なので、私(が書いたもの)に追いつくとは思いませんでした。けど実際には追いつかれるどころか、追い越されてしまいました。

小説版の進捗をドラマに当てはめることは一概には難しいが、最新刊である第5作は、重要な役目を担うことになったジョン・スノウが周囲からの反発を受けたり、濡れ衣を着せられたティリオンがとある人物を殺害したりする描写などから、ドラマにおけるシーズン5のストーリーに相当するだろう。ともあれ、マーティンが話すように、原作であるはずの小説はいつしかドラマを追うような形になってしまったのだ。

「そのせいで少しおかしなことになってしまいました。ドラマは私の先を行っていて、別の展開をいってしまった」。このように語るマーティンだが、自身が思い描いてきたエンディングは揺るがないようだ。「今も小説を書き進めているんですが、出版されたら私が書く結末を見ることになりますよ」と話している。

原作小説のファンならば、マーティンと同様の違和感を抱いた人もいるはずだ。2020年1月にも、マーティンは「テレビドラマの製作者たちは私を追い越してしまって、それは予想してませんでした」と複雑な心境を明かしていた。もっともマーティンは、第6作『The Winds of Winter』の執筆を急ピッチで進めているようで、「2020年を通して数百ページ書き進めた」と自身のブログに綴っている

ドラマ版で描かれたエンディングは大きな物議を醸し、最終シーズンの作り直しを求める署名活動まで展開された。ドラマ版の完結により、ある種ひとつの基準が出来た今、マーティンは正史である小説のストーリーをいかに終わらせるのだろうか……。

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Source: wttwchicago,George R.R.Martin

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。