『グランツーリスモ』幻のおまけシーン、ある切ない理由でお蔵入りを余儀なくされていた

ドライビングシュミレーションゲームのいちプレイヤーからプロレーサーの夢を叶えたサクセスストーリーを映像化した『グランツーリスモ』は、胸熱なエンディングで締めくくられた。エンドロールでは、主人公のモデルとなったヤン・マーデンボローの写真や動画も映し出された。
そんな本作、実はとある理由でお蔵入りとなってしまったポストクレジット・シーンが存在していたという。そのなんとも切ない理由を、ニール・ブロムカンプ監督が明かしている。
この記事には、『グランツーリスモ』の内容について言及しています。
世界中から「グランツーリスモ」のトッププレイヤーを選抜してプロレーサーへ養成する「GTアカデミー」のファイナリストに選ばれたヤン。数々のレースに参戦し、途中大きな挫折を味わったものの、最後の大舞台ル・マン24時間レースに臨み、見事表彰台に立つのだった。
この後、ポストクレジット・シーンで映し出されるはずだったのが、「GTアカデミー」を発案した日産のマーケティング担当、ダニーがレーシングカーをドライブするシーン。ニール・ブロムカンプ監督が米Motor Trendに語ったところによれば、ポストクレジットシーンを挿入することを発案したのは、ダニー役のオーランド・ブルームだったという。
「オーランドが映画で自分が運転するシーンをすごく欲していたんです。本編では運転しませんからね。なので私たちは娯楽として、映画の最後のポストクレジット・シーンみたいな感じで、あるシーンを考えたんです。それを行うには、スタント・コーディネーターとスタントの責任者の承認が必要でした。彼(ブルーム)と、彼の運転を評価するインストラクターと一緒にテストを行わなければいけなかったんです。」
アクシデントが起きたのは、この後。監督いわく、ハンドルを握ったブルームは、走り出した後に「スピンしてしまった」という。「フロント・クォーター・パネやサスペンション、ホイールとかが壊れてしまいました」。
「この世の終わりというわけではありませんでした」と監督は振り返るが、このクラッシュによってブルームはテストを通過することができなかったのだろう。「実際の彼はとても良いドライバーだと思います。状況が良くなかっただけで」と監督はブルームをフォローした。
ちなみに撮影中に車が破損したのは、「ブルームがGT-Rをクラッシュさせた時だけだった」という。
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Source:Motor Trend