【解説】ジェームズ・ガンが新DC公約発表、「ファンの意見聞く」「史上最大の物語を語る」「マルチバース」

ポイント2:史上最大の物語
「複数の映画、テレビドラマ、アニメ企画を通じて、Biggest Story Ever Told(史上最大の物語)を語る」と言及している点にも着目したい。これは必ずしも、映画・テレビドラマ・アニメ企画がクロスオーバーするという意味ではないだろうが、既に映画版とテレビドラマ版のフラッシュが対面するクロスオーバーは実現している。

おそらく彼らは、DCスタジオの設立とガン&ピーター・サフランの就任にあたり、自スタジオが保有するアセットの“棚卸し”を行ったはずだ。もともとDCユニバースは、(マーベルとは異なる独自の強みとして)質の高いテレビドラマ作品やアニメ作品を多数積み重ねている。過去のキャラクターや設定を交差させたり、再活用したりすることは、彼らにとって非常に理にかなった戦略のはずだ。

加えてガンは、監督として『ザ・スーサイド・スクワッド』と派生ドラマ「ピースメイカー」をクロスオーバーさせており、そもそもこうした知見はマーベル・スタジオでも培った。ガンが「史上最大」と言うからには、過去、現在、そして未来のアセットを複合させた、縦横無尽のストーリーテリングを繰り出してくるだろう。対岸のマーベル・スタジオが『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』や『X-MEN』合流を次々実現させる一方で、DCスタジオはいかなる手を打つか。