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ジェームズ・ガン製作、ドラマ「刑事スタスキー&ハッチ」リブート企画が頓挫 ― 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』解雇とは無関係

ジェームズ・ガン
Photo by Gage Skidmore https://commons.wikimedia.org/wiki/File:James_Gunn_(28663744545).jpg

映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのジェームズ・ガン監督が手がけると報じられていた、ドラマ「刑事スタスキー&ハッチ」のリブート企画が頓挫していたことがわかった。米Yahoo! Financeが報じている。

「刑事スタスキー&ハッチ」は、1975~1979年に米国で放送された大ヒット刑事ドラマ。日本でも1977~1981年に放送されて人気を博したほか、2004年にはベン・スティラー&オーウェン・ウィルソンの主演映画『スタスキー&ハッチ』としてリメイクされたこともある。ちなみに同作でメガホンを取ったのは、のちに『ハングオーバー!』シリーズを手がけるトッド・フィリップスだった。

ガン監督が「刑事スタスキー&ハッチ」のリブート企画に着手されたと報じられたのは2017年8月のこと。ガン監督自身、非常に思い入れのあるシリーズであるとのコメントが発表されたほか、脚本の開発が進められているとされていた。ガン監督は原案&製作総指揮を務め、脚本は弟のブライアン・ガン、従弟のマーク・ガンが執筆。シリーズの製作はAmazon Studiosとソニー・ピクチャーズが共同で担当する予定だった。

ところが去る2018年7月21日、2008~2011年ごろにTwitterに投稿していた不適切な発言が原因で、ガン監督は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3(邦題未定、原題:Guardians of the Galaxy Vol.3)』から解雇された。
ポリティカル・コレクトネスの問題やディズニーのイメージの問題、政治的背景の問題、そしてSNSを利用した暴力の問題がないまぜになった本件については、さまざまな議論や各所に対する批判が噴出しつづけているが、そんな中、「監督が以前から関与していた今後のプロジェクトはどうなるのか」という疑問が生じている。

このたびYahoo!の取材に対して、Amazon Studiosはリブート版「刑事スタスキー&ハッチ」の現状を回答。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』からの解雇をめぐる諸問題が発生する以前、「数ヶ月前の時点でプロジェクトを完全に中止していた」との事実を明らかにした。リブート版「刑事スタスキー&ハッチ」の企画頓挫と、今回のガン監督をめぐる問題は無関係であることが示されたとみていいだろう。
Amazon Studiosの広報担当者は「(中止について)公表は控えさせていただきました。このことは、中止となったどのような企画でも同じものです」とコメントしており、具体的な中止の時期や理由についての回答はなかったという。

本件を伝えたYahoo!のダニエル・ロバーツ記者は、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』からのガン監督の解雇は「ディズニーは子どものいる家族を大切にしている企業であり、(レイプや小児性愛を不適切に扱った)ツイートが判明した時点で(解雇は)やむを得なかった」「これはポリティカル・コレクトネスの問題ではない」との見方を示している。その一方でダニエル氏は、「ディズニーが解雇を撤回することはないだろう」としながら、「ほかの企業でガン監督が映画を作れない理由は今のところない」とも述べた。

ガン監督の解雇から数日が経った今、ハリウッドでは俳優や映画監督、クリエイターたちからガン監督を支援する声が多数聞かれている。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3』への再雇用を求める署名運動はまもなく30万人に達する勢いだ(2018年7月25日14時現在)。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のみならず、ガン監督の今後に関しては、引き続き世界から大きな注目が集まるものとみられる。

Source: Yahoo! Finance
Eyecatch Image: Photo by Gage Skidmore

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。