ジェームズ・ガン、「ヒーロー映画疲れ」語る ─ 「ストーリーがなければただの殴り合いで、それでは疲弊するだけ」

マーベル映画やDC映画に疲れてしまった?「スーパーヒーロー疲れ」は、この頃映画ファンの間で話題になりやすいテーマだ。最近の調査では、マーベル作品ファンの3人に1人が関連作品の多さに疲弊しているとする結果も登場。映画やドラマを合わせると、1年に何本もの作品が登場する状況に、追いかける方もなかなか大変だ。
DCスタジオの代表に就任し、まさにこれから怒涛のヒーロー映画ラインナップを繰り出してくことになるジェームズ・ガンでさえ、「スーパーヒーロー疲れというものはあると思う」と認識している。ただし、ガンの考えは、ヒーローものうんぬんではなく、語られるストーリー次第であるというものだ。米Rolling Stonesに、次のように持論を寄せている。
「スーパーヒーロー疲れは、スーパーヒーローそのものとは関係がない。どういうストーリー次第かということです。集中して観れないことがあれば、それはキャラクターのせいでしょう。
なぜ僕たちがスーパーマンやバットマン、アイアンマンを大好きなのかといえば、彼らが僕たちの心の中にいるような、素晴らしいキャラクターだからです。もしもそれがナンセンスな連中になったら、ひどく退屈なものになるでしょう。僕も、ほとんどのスペクタクル映画で、感情に根ざしたストーリーがなく、つまらなくて疲弊することがある。スーパーヒーロー映画かどうかは、関係ないのです。」
新DCユニバースのラインナップ発表でも「ストーリーテリングこそが絶対であり、それが最重要。ストーリーとしっかり向き合っていく」と宣言したガンの考えは、ここでも一貫している。「もし根底にストーリーがなかったら、ただの殴り合いになる」と続けるガン。「その殴り合いの瞬間がどんなに巧妙だろうと、デザインやVFXがどんなに巧妙だろうと、観ていてただ疲弊するだけ。それがとてもリアルなところだと思います」。
ガンは新DCユニバース全体の舵を取りながら、自らもスーパーマン新作映画『スーパーマン:レガシー(原題)』で脚本と監督を務める。新ラインナップの中にはスーパーマンのほかバットマンといったお馴染みのキャラクターの作品もあり、手垢のついた物語ではそれこそ観客に退屈を強いてしまうだろう。「スーパーヒーロー疲れ」とは無縁な、ワクワクするような作品群に期待したい。
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Source:Rolling Stones