『アベンジャーズ』指パッチン後のMCUは「大変だと思う」とジェームズ・ガン ─ 「マーベルには良い映画を作り続けてほしい」

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズを手がけ、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に多大なる貢献を示したジェームズ・ガン監督は、完結編『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』をもってMCUを離れる。今後はDCスタジオの共同会長兼CEOとして、DC映画ユニバースの指揮を執るのだ。
米Rolling Stoneにて、ガン監督は「マーベルには良い映画を作り続けてほしい、と心から願っています」と語る。ガンとマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長はビジネスパートナーであり、また盟友でもある。ガンがDC映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)に起用されたことをファイギは喜び、ガンもDCスタジオの会長就任を真っ先にファイギに報告したほどの関係だ。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)以降、MCUはストーリーの立て直しを図っている状況。現在は“マルチバース・サーガ”と銘打って征服者カーンをめぐる物語に進みつつあるが、ファンや批評家から厳しい批判も寄せられているのが実情だ。もっとも、ガンはその困難さをよく理解しているようである。
「指パッチン(Blip)の後は本当に大変だと思います。世界規模、宇宙規模の事件が起きてしまったわけだから、現時点でも大混乱になっているわけでしょう。その後のストーリーを執筆するのは難しいですよ。『ガーディアンズ~』がやりやすかったのは、それとは少し外れたところが舞台だからです。」
実際のところ、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』も『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)の影響を受けている。サノスによってガモーラが殺されてしまったため、『VOLUME 3』に登場するガモーラは別の時間軸からやってきた、いわばそれ以前のガモーラとは別人なのだ。これはこれで高いハードルだが、少なくとも“指パッチン”の影響は出ていない。そして何よりも、ガンは3部作の物語を自身が望む形で完結させられたようである。
現在のMCUに理解を示し、今後もファイギとの友人関係を続けていくガンは、マーベルとDCの関係について「(ライバルではなく)むしろその逆だ」と強調する。
「マーベルが良い映画を作れば、DCにも良い結果を生む。DCが良い映画を作れば、マーベルにも良い結果を生みます。人はダメな映画を観ると、映画鑑賞にもっとお金を使おうとは思わなくなるから。だから誰もが良い映画を求め、僕たちはDCで年に2~3本の映画を作る。マーベルの映画はすべてコミック映画の宣伝であり、その逆もしかりです。[中略]お互いが良い映画を作れば──それがベストですが──互いの間をボールが行き来することになりますよね。」
ちなみにガンによると、DCスタジオのトップとしてユニバースの指揮を執る仕事は、ファイギのような企業人としての立場というよりも、さまざまな作品とメディアにまたがる包括的なストーリーを作り上げるのが主な役割なのだとか。「指パッチンの後は本当に難しいと思う」という言葉は、ストーリーテラーとしての率直な実感に基づくものなのかもしれない。
映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』は2023年5月3日(水・祝)公開。
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Source: Rolling Stone