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マーベル異色ホラー「ヘルストローム」米予告編 ─ 従来とは異なる物語、異なる恐怖に

https://www.youtube.com/watch?v=_9XTA2DkHm4

「マーベル」の名を冠しない、異色のマーベル原作ドラマ「ヘルストローム(原題:Helstrom)」の米国版予告編が公開された。ダークヒーローの物語をホラー調で描く本作は、いまやマーベル・スタジオに統合された旧マーベル・テレビジョンによる“最後の新作ドラマシリーズ”。米国ではHuluにて配信される(編注:“Helstrom”には「ヘルストーム」「ヘルストロム」などの別表記あり)

公開された予告編は、主人公であるダイモン&アナ・ヘルストローム兄妹が、禍々しい雰囲気の漂う病院に入ったままの母親ヴィクトリアを訪ねる場面から始まる。「来てくれたんだね、私の息子が」。しわがれた声で語りかけ、笑うヴィクトリアに、アナは「この世界に何かを解き放ったでしょう?何なの?」と問いかける。しかし母親は「知ってるはず。隅々まで調べなさい」とだけ答えた。

上半身裸の男、血に濡れた手、灰色に変わる母親の眼、地面から突き出てくる拳、そして幼少期の記憶と思しきフラッシュバックなど、あらゆる怪異や謎めいたショットが連続する。ヘルストローム一家のものらしき家族写真は、父親の顔が塗りつぶされていて……。映像は、「この家族には奇妙な特徴がある。こんなものは経験したことがない」とつぶやく女性の声で締めくくられている。

コミックのダイモンはサタンと人間の息子という設定であり、「サン・オブ・サタン」として悪魔の能力を操り、現世と地獄を行き来しながら活躍するダークヒーロー。もともと「ヘルストローム」はゴーストライダーの単独ドラマとあわせ、“マーベル発の恐怖シリーズ”として構想されていたが、のちに「ゴーストライダー」は製作が頓挫。その一方、本作はその後も企画が継続された。

注目すべきは、冒頭にも記したように、タイトルにも予告編にも「マーベル」の痕跡がうかがえないことだ。マーベル・シネマティック・ユニバースのドラマシリーズが今後発表されることを控え、作品を差別化する目的とみられるが、母ヴィクトリアを演じるエリザベス・マーベルは、実際のところ、本作には従来のマーベル作品とは「異なる種類の物語、異なる種類の恐怖」があることを明かしている

「この物語にも(従来のマーベル作品と)同じ要素はたくさんありますが、その目的が違います。だから、おなじみの愛すべき要素で満足してもらえるとも思いますし、そのうえで、かつてない、新たな扉を開くことにもなるでしょう。とても楽しい作品になると思います。マーベルの世界はとても広いけれど、今まではひとつのところに集中していた。だから私たちとしては、“こっちの新しい方にも来ませんか”という感じ。すごく喜んでもらえると思っています」。

製作総指揮は「エージェント・オブ・シールド」でも脚本を手がけたポール・ズビゼウスキー。セットやキャラクター、小道具など、さまざまなところにコミックファン向けのイースターエッグをたっぷりと詰め込んでいることを明かしている。主人公の兄妹は「ザ・ロイヤルズ」(2015-2018)のトム・オースティン、新鋭シドニー・レモンが演じる。

ドラマ「ヘルストローム(原題:Helstrom)」は2020年10月16日より米国配信予定。

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Source: Collider, Comicbook.com

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。