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ロキ役トム・ヒドルストン、『アベンジャーズ』第1作の撮影は「怖かった」

©THE RIVER

映画『マイティ・ソー』『アベンジャーズ』シリーズでロキ役を演じているトム・ヒドルストンが、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の各シリーズが初めての本格クロスオーバーを果たした『アベンジャーズ』第1作(2012)を振り返った。

2018年10月14日(米国時間)に開催された「Ace Comic Con Midwest 2018」にて、トムは『アベンジャーズ』の撮影当時について「怖かった」と語っている。

スカーレット・ウィッチ役のエリザベス・オルセンとのトークの中で、トムはマーベル・スタジオやケヴィン・ファイギ社長の力量を絶賛。常に新たな方向へとユニバースを導いていく構想に言及し、また「『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)から『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の準備は始まっていたんです」と述べて、「創作に対して、途方もない、桁外れの信念がある」と評している。

ただしMCUの大きな転換点となったのは、アイアンマンやキャプテン・アメリカ、ソーなどのヒーローが結集した大ヒット作『アベンジャーズ』だろう。この作品をきっかけに、MCUはハリウッドの一角を占める一大フランチャイズへと急成長したといっても過言ではないのだ。ただしトムは、この“前代未聞の試み”を前に恐怖をおぼえていたという。

「『アベンジャーズ』第1作を作っている時、怖かったのを覚えていますよ。うまくいくという保証はありませんでしたから。ちゃんと筋が通るのか、作品を成功させるためにいかに一生懸命やったか、ということだけを頼りにしていましたね。」

しかも『アベンジャーズ』で、ロキはヒーローたちとほぼ一人で対峙するメイン・ヴィランとしての役割を担っていた。さらに同作の脚本・監督を務めたジョス・ウェドンは、『マイティ・ソー』(2011)のシェイクスピア劇を彷彿とさせるキャラクター造形から一転して、コミカルな一面を併せ持つ悪役としてロキを再造形したのである。複雑な内面とユーモアの要素をはらむ魅力的なキャラクターはこうして誕生したわけだが、演じるトムのプレッシャーは並大抵ではなかっただろう。

マイティ・ソー バトルロイヤル
『マイティ・ソー バトルロイヤル』より © Walt Disney Studios Motion Pictures 写真:ゼータ イメージ

一方でトムは、ロキが世界中のファンに愛されつづけていることについて、以前「脚本に恵まれていると思います」と述べていた

「『マイティ・ソー』第1作で、ロキにはつらい展開が用意されていたし、弱さも描かれていた。[中略]最初から悪役なのではなくて、ある事実の発覚によって悪役になるんですよね。それからジョス・ウェドンはロキをすごくチャーミングに、軽やかに、カリスマ的に描いてくれた。キャラクターを見事に、複雑に描いてもらえて幸せですよ。」

『マイティ・ソー』から『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』へ……。ロキをめぐる物語について、トムはこのトークの中で「ロキは救われた」のだと言い切り、同時に「ロキが変わり続けてこられたのは、観客のみなさんのおかげです。みなさんが10年間見ていてくれたから。本当にありがとうございます」とも話した。

映画『アベンジャーズ』MovieNEXは発売中。『アベンジャーズ/エンドゲーム(邦題未定、原題:Avengers: Endgame)』は2019年4月26日(金)公開予定。

Source: Ace Comic Con

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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