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トム・ホランド、『2分の1の魔法』をプレミアまで見せてもらえなかった ─ 「ネタバレするのがバレてる」

2分の1の魔法
(C)2020 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のスパイダーマン役で知られるトム・ホランドが、最新作『2分の1の魔法』について語った。自分に自信を持てない少年イアン役を演じるトムは、兄バーリー役のクリス・プラットとともに、米国のテレビ番組「Good Morning America」に登場。本作について「兄弟愛をしっかり描いています」と述べ、作品のテーマにも踏み込んだトークを繰り広げたのだ。

ところが、インタビュアーから「(映画を観て)泣いてしまいましたか?」と尋ねられたトムは「僕はまだ観てないです」と答えている。えっ。

トム・ホランド クリス・プラット
Photo by Jesse Grant/Getty Images for Disney

『2分の1の魔法』は、時の流れとともに“魔法が消えかけている”世界で、主人公の少年イアンが、自分の生まれる前に亡くなった父に会うという願いを叶えようとする物語。16歳の誕生日プレゼントに、イアンは父が母に託した魔法の杖を贈られるが、魔法に失敗した彼は、父親を“半分”だけの姿で復活させてしまう。イアンは父を完全に蘇らせる魔法を求め、魔法オタクの陽気な兄バーリーと旅に出るが……。

今回のインタビューで、トム&クリスは、自分自身の兄弟関係を演技に反映したことを明かしている。本作では弟役ながら、現実には4兄弟の長男であるトムは「僕たち兄弟はすごく良い関係なので、それをうまく活かしつつ、(クリスと)独自の関係を作れたと思います」とコメント。かたや、クリスは「今回は兄貴の役ですが、実際の僕は弟ですからね。だけど僕の役には、僕が兄からもらったのと同じ、弟への愛情や優しさがありますよ」と述べた。「兄に観てもらうのが楽しみです、ビックリするだろうから」。

さらにトムは、物語のさらなる核心に踏み込んでいる。「僕たちは一人でいるより、力を合わせればもっと強い、そんな物語でもあります」と強調して、自分自身の経験も振り返りながら、若い観客にメッセージを送ったのである。

「まだ少年のころって、自分がどんなことを考えているかとか、どう思っているかとか、そういうことを表現しづらいと思うんですよ。お互いにコミュニケーションを取らなかったりしてね。この映画はそういうことを――実際には言わずして――伝えてくれるもの。劇場で泣いてしまうと思いますよ。」

ところが「劇場で泣いてしまいますよ」という言葉が思わぬ展開を生むことになった。インタビュアーの「あなたも泣いたんですか?」という言葉に、トムは「僕はまだ観てないです」と応答。思わずインタビュアーが「まだ試写に行ってないんですね」と重ねたところ、トムとクリスの応答はこうだ。

クリス「まだ観ることを許されてないんですよ。ネタバレするのがわかってるから。」

トムホ「ネタバレするってバレてるんです。」

観たらネタバレするどころか、しっかり主演俳優としてセリフの収録に臨んでいる以上、トムはすべてを知っているのではないか…との指摘は野暮というもの。MCUで“ネタバレ王子”の異名を取るトム・ホランドに、ディズニー&ピクサーはまったく油断していないようだ。しかしこの状況、もはやトム本人が口の軽さをおもしろがっているフシすらあるのではないか。「僕はプレミアでファンのみなさんと一緒に観ます。みんなと一緒に泣きますよ」

ちなみにトムは、来たる『スパイダーマン』第3作については全てを知らされているとのこと。先日、「もう映画のネタバレをしない方法を覚えたんです!」と豪語したばかりである。

映画『2分の1の魔法』は近日公開。ワールドプレミアは2020年2月18日(米国時間)に開催されており、今回のインタビューはそれ以前に収録されたものとみられる。

日本公開、もうちょっと待ってね

Source: Good Morning America

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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