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【解説】『ブラック・ウィドウ』米国版最終予告編 ─ タスクマスター&レッド・ガーディアンなどアクションたっぷり、ナターシャ一家の食卓風景も

ブラック・ウィドウ
(c)Marvel Studios 2021

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)最新作『ブラック・ウィドウ』の最終予告編とポスタービジュアルが米国にて公開された。

「私、姉さんはアメリカに引っ越したんだって言ってるよ。姉さんは科学の先生をやってて、旦那さんは家のリフォームをしてるんだけど、2人とも引っ越しを考えてる。だけど、金利が下がるのを待つんだって」。“妹”のエレーナが真顔で語るのを前にして、ナターシャは「そんなの私じゃない」と笑った。

物語の舞台は『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)直後。ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウは、自分の“故郷”に戻ってきたようだ。本作では、ナターシャの知られざる物語が描かれる。彼女の過去にはいったい何があったのか、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)で下された決断の背景とは……。

「アベンジャーズに入る前、私は失敗を犯して、たくさん敵を作った」。爆発横転する車に向かってくるのは、全身をアーマーに包んだ正体不明のヴィランだ。ナターシャは銃撃するが、敵はあのキャプテン・アメリカのように盾を投げつける。「彼は別名“タスクマスター”。レッドルームを操ってる。彼女たち、意識を完全に操作されてる。選択肢はない」。イェレナが言う“レッドルーム”とは、旧ソ連のスパイ養成プログラム。ナターシャ自身も、このレッドルームでブラック・ウィドウとして成長したのだ。映像には、イェレナが手術めいたものを受ける姿も収められている。ナターシャは「あなたのために戻ってくるべきだった」と漏らす。「すべての始まりに戻らないと。そうすれば、もうあんなことは起きない」

ナターシャの前に現れるのは、かつての家族たちだ。“父”はロシア版キャプテン・アメリカともいわれるアレクセイ/レッド・ガーディアン。“母”は天才科学者のメリーナだ。アレクセイは「俺たちは家族だ、お前と一緒に戦う」と言い、メリーナは何者かに対して「あなたは勝てない。私は常に最善だと思ってきた、過去は振り返らずに」と語りかける。レッド・ガーディアンはタスクマスターと戦い、レッドルームのスパイたちはひそかに動きを進め、ナターシャとエレーナは白昼のカーチェイスに臨む。エレーナが「計画はある? それともじっとしてるべきかな、伏せるとか、隠れるとか」と聞けば、ナターシャは「逃げ切るっていう計画!」と応じる。「あなたの計画、最低」。

ナターシャとスパイたち、エレーナとS.W.A.T.隊員の格闘が行われる中、タスクマスターも登場し、サンダーボルト・ロス長官も姿を見せる。「私たちはみんな、いつか選ばなければいけない。自分の望む世界か、自分自身のどちらかを」。ナターシャの言葉は続く。「私は選んだ、もう逃げないって」。レッド・ガーディアンが盾を投げ、メリーナやエレーナがヘリコプターを操縦するなど、激しい空中戦の様子も捉えられている。

タイトルロゴの後には、一家がテーブルを囲む場面も。ナターシャが何やら話し始めれば、“母”メリーナが「ナターシャ、背筋を伸ばして」と一言。「伸びてるよ」「あんた猫背になるよ」と言い合うところに、“父”アレクセイは「お母さんの言うことを聞きなさい」。ナターシャが「ちょっと」と不服そうにすれば、アレクセイは「背筋伸ばして、伸ばして」。ついにナターシャが「わかったよ、もういいよ、みんな」と口にしたところ、“妹”エレーナは「私なんにも言ってないじゃん、ひどくない?」。

ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウ役を演じるのは、おなじみスカーレット・ヨハンソン。ナターシャの妹分エレーナ役は『ミッドサマー』の新鋭フローレンス・ピュー、アレクセイ/レッド・ガーディアン役は「ストレンジャー・シングス」(2016-)のデヴィッド・ハーバー、メリーナ役は『女王陛下のお気に入り』(2018)のレイチェル・ワイズが演じる。さらにナターシャの旧知であるメイソン役で「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」(2017-)O・T・ファグベンルが、MCUの過去作品からはサンダーボルト・ロス長官役のウィリアム・ハートが再登場する。

監督は『さよなら、アドルフ』(2012)『ベルリン・シンドローム』(2017)のケイト・ショートランド。原案を『キャプテン・マーベル』(2018)ジャック・スカエファーと『ラブストーリーズ コナーの涙/エリナーの愛情』(2014)ネッド・ベンソン、脚本を『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)のエリック・ピアソンが務めた。音楽は『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)などのアレクサンドル・デスプラ。

映画『ブラック・ウィドウ』は2020年5月1日(金)日米同時公開

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Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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