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『ホーム・アローン』監督、リメイク企画は「時間の無駄」「意味がわからない」 ─ Disney+版、ライアン・レイノルズ版に厳しい視線

ホーム・アローン
© 2020 20th Century Studios

不朽の人気コメディ映画『ホーム・アローン』シリーズには、現在ふたつの再映画化企画がある。Disney+作品として準備が進められているリメイク版と、『デッドプール』シリーズのライアン・レイノルズが製作する“大人向け企画”の『Stoned Alone(原題)』だ。ところが、オリジナル版を手がけたクリス・コロンバス監督はどちらも支持しない姿勢を示している。

現在、ディズニー/20世紀スタジオが積極的に進めているのは、『ジョジョ・ラビット』(2019)のアーチー・イェーツが主演するリメイク版だ。監督は『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』(2006)脚本家のダン・メイザー、脚本はコメディアンのマイキー・デイ&ストリーター・サイデルが務める。ところがInsiderによれば、コロンバス監督のもとにリメイクに関する連絡は一切なかったという。

(リメイクは)僕に言わせれば時間の無駄。『ホーム・アローン』のように寿命の長い映画をリメイクする意味がわからない。奇跡は二度も起こせないし、起こらない。なぜやるのかって話です。つまり、ディズニーがアニメを型通りに実写化するのと同じことなんでしょう。それにどんな意味があるのか。自分たちの作品を作るべきです。大失敗するにしても、オリジナルの映画を最低限考えるべき。」

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コロンバス監督は自身にも厳しく、自ら手がけた『ホーム・アローン2』(1992)についても「罪に問われると思う」と語っている。「あれは基本的に1作目のリメイクだから。スタントに大笑いできるから存在してもいいかとは思うけど、作られるべきだったとは思いません」。

一方、ライアン・レイノルズが手がける『Stoned Alone』は、『ホーム・アローン』から着想を得て、スキー旅行に行きそびれた青年が自宅で麻薬をキメてハイになったまま強盗と戦うという物語。コロンバス監督は英The Independentにて、この企画に「映画というものに対する侮辱だと思った」と不快感をあらわにしている。「コメディにしろミュージカルにしろ、どんな映画であれ、僕は『ゴッドファーザー』を作るかのように敬意をもって扱いたい。『ホーム・アローン』は『ゴッドファーザー』ではないけれど、それくらいの敬意をもって扱うべき」。

もっともコロンバス監督は、Disney+のリメイク版よりは『Stoned Alone』のほうに可能性を感じているようにも思われる。InsiderではDisney+版を「リメイクする意味がわからない」と断じたのち、『Stoned Alone』については「どうなるのかは神のみぞ知る。どうぞ楽しんで、新しいことをやってほしい。人生は短いんだから」と皮肉たっぷりの励ましを送っているのだ。

ちなみに『Stoned Alone』の第一報が伝えられたのは2018年7月のこと。その後、ディズニーが20世紀フォックスを買収したのちに企画がどうなったかは明らかになっていない。

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Sources: Insider, The Independent

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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