『ハリー・ポッターと賢者の石』試写段階では約3時間あった ─ 「子どもには短かった、大人には長すぎた」

『ハリー・ポッター』シリーズの第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001)は、一般公開前の試写段階では約3時間の長尺作品だったという。監督を務めたクリス・コロンバスが米Colliderにて明かした。
ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソンらを主要キャストに迎えた『ハリー・ポッター』映画シリーズは、原作者J・K・ローリングの世界観をスクリーンで忠実に再現すべく、とりわけ第1作『賢者の石』では丁寧な描写と説明が心がけられている。それゆえ劇場公開版は2時間32分というボリュームとなったが、本来はさらに長くなる可能性があったのだ。
「映画が出来上がった際、幸いにもシカゴで上映することができたんです。シカゴの映画館に飛んで、観客のみなさんにも喜んでもらえました。その時は2時間50分の映画だったんです。子どもたちには短すぎたし、大人たちには長すぎましたね。」
具体的にどのようなリアクションがあったのかは定かでないが、ワーナー・ブラザースやコロンバス監督は試写の反応を受けて本編を18分ほどカットし、劇場公開版を完成させたことになる。それでもファミリー向けのファンタジー映画としては比較的長尺だが、当初は3時間近い上映時間さえ許容する構えだったのだろう。スタジオ側の気合いの入りようが伺えるというところだ。
その後、『ハリー・ポッターと賢者の石』はソフト版にエクステンデッド・バージョンを収録しており、こちらは劇場公開版より7分長い159分となっている。また特典映像では未公開シーンも見ることができるため、おそらくコロンバス監督が見せたかった映像のほとんどはなんらかの形で世に出たと考えられるのだ。しかし、そうした映像が一作に収まった2時間50分のディレクターズカット版、いったいどんな味わいの作品になっていたのだろうか?
Source: Collider