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『世界から猫が消えたなら』ハリウッドで映画化へ ─ 『ピーターラビット』実写版監督が手がける

世界から猫が消えたなら

日本のベストセラー小説『世界から猫が消えたなら』(小学館文庫刊)がハリウッドで映画化されることがわかった。米ソニー・ピクチャーズと、製作会社Olive Bridge Entertainmentが発表した。米DeadlineVarietyなどが報じている。

今回の発表は、米ソニー・ピクチャーズとOlive Bridge Entertainmentがファーストルック契約(※)を結び直したことにあわせて伝えられたもの。「ウサギ版アウトレイジ」との評判名高い、実写映画版『ピーターラビット』(2018)のウィル・グラック監督が設立したOlive Bridgeが製作を務めるため、グラックが監督あるいはプロデューサーとして参加するとみられる。ウサギの次はネコ、というわけである。

(※)ファーストルック契約とは、プロデューサーや製作会社による企画を、特定のスタジオやテレビ局が優先的に見ることができるというもの。

川村元気による2012年発表の小説『世界から猫が消えたなら』は、郵便配達員をしている30歳の主人公が、脳腫瘍によって余命わずかであることを知らされることから始まる物語。猫と二人暮らしの我が家に帰ってきた主人公は、自分と同じ姿をした、“悪魔”を名乗る男と出会う。その男は、世界から何かを消滅させる代わりに、1日だけ寿命を与えると申し出るのだった。

ハリウッド版『世界から猫が消えたなら』のプロデューサーを務めるのは、ドラマ「HEROES」(2006-2010)への出演で知られるマシ・オカ。俳優業のほか、プロデューサーとして『Death Note/デスノート』(2017)や『オール・ユー・ニード・イズ・キル』続編(タイトル未定)のほか、『進撃の巨人』『ロックマン』のハリウッド映画化にも携わるなど精力的に活動中だ。なお、『世界から猫が消えたなら』は2016年に日本国内でも映画化されている。

ウィル・グラック率いるOlive Bridgeは、本作のほか、ダンスゲーム『JUST DANCE』の映画版、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『から騒ぎ』を現代的に脚色する映画『Much Ado(原題)』、フランス映画『ラスト・ダイヤモンド 華麗なる罠』(2014)をリメイクする『Steal Away(原題)』、SFラブストーリー『Move On(原題)』などを進行中。数々の作品が待機する中、ハリウッド版『世界から猫が消えたなら』はいつごろの発表となるか。

世界から猫が消えたなら
『世界から猫が消えたなら』(著:川村元気、小学館文庫)

Sources: Deadline, Variety, The Hollywood Reporter

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。