Menu
(0)

Search

マーベル「量を作りすぎて焦点失ったと認めている」 ─ ディズニーCEO「数を減らして質の良い映画を作る、『サンダーボルツ*』がその最初の好例だ」

マーベルのロゴ

映画『サンダーボルツ*』は「マーベル疲れ」を打破する電撃か。しばらく不評に苦しむ機会もあったマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)だが、劇場最新作『サンダーボルツ*』は好評だ。興行収入こそ決して突出したものではないが、内容については批評家からもファンからも高い評価。マーベル熱が蘇ったと興奮する声も少なくない。

ここには親会社ディズニーとマーベル・スタジオによる最近の方向転換がうまく現れていると、ディズニーCEOのボブ・アイガーは胸を張っている。ディズニープラス登場以降、MCUはドラマシリーズも含む幅広いストーリーテリングを展開。ドラマと映画の物語が絡み合う拡張を見せたが、一方で供給過多によるファン疲弊を招いた。劇場映画の興収はみるみる低下し、特に2023年の『マーベルズ』ではシリーズ史上初めての赤字転落となった。

ボブ・アイガーは2025年5月7日(現地時間)の投資家向け電話会議で、「ストリーミング・プラットフォームをより多くのコンテンツで溢れさせよういう熱意から、マーベルを含むクリエイティブ・エンジンに目を向け、より多くのコンテンツを制作させたことは、我々も承知しています」と反省の弁を述べた。米Varietyの報告。「量が必ずしも質を生むわけではないことも、我々は時間をかけて学んできました。そして率直に言えば、多く作りすぎたことで焦点を失ってしまったと、我々全員が認めています」。

マーベル・スタジオ作品について、アイガーが「量より質」方針への転換を打ち出してからちょうど1年となる。「もう少し固めて、マーベルが自分たちの映画にもっと集中することで、より質の高いものになると信じています。その最初の、そして最良の例が『サンダーボルツ*』です」と、アイガーは最新作に良い結果が現れたと自負した。「私も同作についてはとても良い感触でいます」。

『サンダーボルツ*』はRotten Tomatoesにて批評家スコア85%、観客スコア94%(本記事時点)で上々。シリーズ前作『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』が批評家48%対観客78%で割れていたことと比べると、より幅広い視点から評価される作品に進化したことがうかがえる。

マーベル・スタジオは7月に『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』を控え、2026年5月にはいよいよクロスオーバー大作『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』を公開する。「量より質」方針で心機一転のマーベル・スタジオ作品に期待しよう。

『サンダーボルツ*』は大ヒット公開中。

Source:Variety

Writer

アバター画像
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly