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『ターミネーター』のアイル・ビー・バック、元はアイル・カム・バックだった

映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』ジャパンプレミア
©THE RIVER

ジェームズ・キャメロン監督、アーノルド・シュワルツェネッガー主演によるSFアクション『ターミネーター』(1984)の劇中でシュワちゃんが演じるT-800が口にする「I’ll be back.(アイル・ビー・バック)」は、ファンならずとも誰もが知る有名なセリフだ。『ターミネーター』シリーズを含む、シュワルツェネッガーの出演作でも同様のセリフが使われているが、当時、このセリフを巡ってキャメロンと言い争いがあったことを現在配信中のドキュメンタリーシリーズ「アーノルド」内で明かしている。

言わずと知れた超大作『ターミネーター』でT-800は、サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)を殺すために、2029年から1984年にタイムスリップしくる。警察署を去る際に“I’ll be back.”と言うと、しばらくして警察署に車ごと突っ込んできて、銃撃戦が始まるのが本作のハイライトの1つだ。

キャメロンいわく、元々脚本にあったのは“I’ll come back.”だったとのこと。撮影当時は、このセリフに大きく意味があるとは捉えていなかったが、この表現にシュワルツェネッガーは違和感を感じていた。そこでキャメロン監督は“I’ll come back.”ではなく“I’ll be back.”と変更したのだそうだ。

しかしシュワルツェネッガーは、「“I will be back.”の方が響きが面白いし、より機械っぽいのではないか」と自分なりの提案をしたことを認めている。しかし、これがキャメロンの怒りを誘ってしまい「お前は脚本家か?」と詰め寄ったのだ。シュワルツェネッガーが「いいえ」と言うと「そうか、じゃあ私に脚本のことを指図するんじゃない」と言い放った。

そう言われたシュワルツェネッガーが「分かりました。I’ll be back.」と返すと、キャメロンは「それだ!鳥肌が立ったぞ。素晴らしい」と気に入ったそうだ。

「彼は正しかったわけです。“I’ll be back.”は映画史上、最も引用されたセリフになりました。誰が正しくて、誰が間違っていたは明らかですよね。」

640万ドルと少ない製作費に対し、最終的に7,830万ドルの興行収入を記録した『ターミネーター』。シュワルツェネッガーは「興行収入的に成功するってことは、批評家が好むという意味ではありません。だからTIME誌が最も優れた映画10選の1つに『ターミネーター』を選んだことは未だかつてないことでした。それもジム(ジェームズ)・キャメロンをびっくりさせたんです。突然、私は絶好調になりました」と本作がもたらした栄誉を振り返っている。

キャメロンは先日、『ターミネーター』新作に向けて動き出した様子が報じられているが、一方、シュワルツェネッガーは時を同じくして「『ターミネーター』はもうやらない」とシリーズ卒業の意向に言及していたところ。シュワルツェネッガーが“I’ll be back.”することはないかもしれないが、彼にとって『ターミネーター』が忘れ難い、特別な作品であることは間違いだろう。

『アーノルド』は2023年6月7日よりNetflixにて配信中。

2023年6月11日:記事初出時、内容に誤りがありましたため修正いたしました。お詫び申し上げます。

Writer

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Yuka ShingaiYuka Shingai

携帯向け音楽配信事業にて社内SE、マーケティング業務に従事した後、妊娠・出産を機にフリーライターに転向。 映画とお酒と化粧品が好き。日課のオンライン英会話でもしょっちゅう映画の話をしています。

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