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『インディ・ジョーンズ』『ミッション:インポッシブル』新作でそれぞれ1億ドル近い損失か

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE
©2023 PARAMOUNT PICTURES.

2023年の期待作として公開された『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』が、それぞれ1億ドル(約145億円)近い損失を出す可能性があることがわかった。米Varietyが報告している。

両作とも、製作費はおよそ3億ドル。加えて、少なくとも1億ドルずつのマーケティング費用が乗る。現在の世界興収は、『運命のダイヤル』が3億7,500万ドル、『デッドレコニング PART ONE』が5億2,300万ドルだ。この2作は事前の予想を下回るパフォーマンスとなっており、結果として1億ドル近い損失に繋がる恐れがあるという。

一方で、劇場興収のみの結果で収支を判断することは、オンデマンドや放映、ストーリミング配信のライセンス契約による収益が考慮されていないと、スタジオ幹部は指摘している。Varietyは一例として、『運命のダイヤル』がディズニープラスでの『インディ・ジョーンズ』シリーズ過去作への関心を高めたとするディズニーのボブ・アイガーCEOの声を紹介している。

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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル
©2022 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

劇場公開時の話題作が、ホームエンタテンメント展開時に利益をもたらす例はある。たとえば『トップガン マーヴェリック』(2022)と『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)はイギリスで記録的なセールスをあげたほか、2022年の動画配信サービスの契約者数を前年対比6.4%押し上げた

長期的な波及効果に目を向ければ、『運命のダイヤル』と『デッドレコニング PART ONE』にはまだ挽回のチャンスはある。だからといって、劇場興収が優れなかったことへの完全な慰めにはならないかもしれない。Varietyはアナリストの意見として、「ストリーミングやその他の販売で売上を回収する機会があるとすれば、それはもっと先の話だ」と紹介している。「彼らも、25年かけて利益を出そうとは考えていないだろう」。

ハリウッド大作映画が大金を稼ぐのは、この頃難しくなってきている。「コロナ禍さえなければ、この2作の映画はもっと経済的になっていたはずだ」と、別のアナリストはVarietyに指摘している。『デッドレコニング PART ONE』の場合、世界興収が6億ドルに乗れば損益分岐点をクリアできるのだという。

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー
THE SUPER MARIO BROS. MOVIE

2023年の大作映画の勝者は数少ない。希少な成功例である『ザ・スーパーマリオ・ブラザーズ・ムービー』は世界13億ドル超の興収で、現時点で本年トップだ。『バービー』もトレンドを席巻し、約12億ドルの大ヒット。『スーパーマリオ』を抜いて今年最大作となるのも秒読みだ。主演と製作を務めたマーゴット・ロビーは、出演料とボーナスを合わせて約5,000万ドルを手にするのだという。

バービー
(c)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

Source:Variety

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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