DC格闘ゲーム『インジャスティス2』の世界観、魅力と注意点を解説

2017年5月16日に海外でPS4/XboxOne向けに発売されたDCゲーム『インジャスティス2(原題:インジャスティス2)』殺人も厭わず世界を統治・管理するスーパーマンと、それに反対するバットマンに別れて血肉の争いをするという衝撃的な物語です。今作では、前作『インジャスティス』てスタンダードなキャラクター達がいる世界からジャスティスリーグを召喚し、悪に堕ちたスーパーマン達を倒し、宇宙からあらゆる文化と種族を侵攻して収集するブレイニアックが攻め込んでくるところから始まります。
【注意】
この記事には、前作ゲーム『インジャスティス』の内容が含まれています。
ゲーム性が大幅にパワーアップ
昨今の格闘ゲームにはとんと疎いので、他のゲームとの比較はできませんが、前作と比べればとても楽しいゲームになっています。不安があったヒーローの装備を付け替えるシステムには着せ替え的な楽しみがあります。対戦をしなくともマルチバースの設定を活かして、滅びそうになっている平行世界を救うミッションが毎日更新され、設定説明の短いフレーバーが凝っていてニヤリとするものが多いです。
対戦格闘ゲームとしても触ってみたところでは前作にあった不満が概ね解消され、ワンランク上の優れた格闘ゲームになったのは確かです。女性キャラクターのモデリングも前作と比べるとかなり可愛く、キレイになったのも中々に嬉しいものがあります。
前日譚コミックとのリンクも多い
『インジャスティス』では如何にしてスーパーマン達が傲慢なヴィランになっていったのかを描くコミックが長らく連載されています。トム・タイラーのシナリオが平易な英語であっても鬼気迫る悲劇を描ききっており、単体として見てもクオリティが高いのでオススメできます。
このゲームではコミックと”ほぼ”地続きとなっており、グリーンアローとブラックキャナリーが生きていることや、Dr.フェイトに登場いたコンスタンティンが連れていた少女が誰なのかが少しわかりづらくなっているかもしれません。
解説するとブラックキャナリーは『インジャスティス』世界の人間で、スーパーマンと戦って瀕死状態に陥ったのをDr.フェイトによって平行世界に避難させてもらったキャラクター。グリーンアローはその世界で出会ったブラックキャナリーを失ったオリバー・クイーンとなります。コンスタンティンが連れていた少女は彼の実娘であり、高い魔力を持っていたことから魔術ヒーローによってスーパーマン達の手が届かない場所に匿われていました。
コミック要素は随所に見受けられますが、前面に出ることはないのでストレスなくプレイできるでしょう。それにグリーンアロー、ブラックキャナリー、ハーレイクインのトリオを再び見られたのはコミック読者に喜ばしいアピールポイントでもあります。
前日譚コミックが気になる方は『INJUSTICE:Year One、Two』だけでも読んでみましょう。開発時期の関係もあり、ここから持ってきた要素が多いのです。逆に言うと開発時期の問題からそれ以降に関しては矛盾も少しばかり見受けられるので、無理に読む必要も現状は特にありませんが…。
バットマンとスーパーマンが明確に別れを告げる物語
前作の『インジャスティス』にてスーパーマンサイドに付いたのは本人とワンダーウーマン、サイボーグ、ナイトウィング(ダミアン・ウェイン)、グリーン・ランタン、アクアマン、ブラックアダム、シャザム、シネストロ等。概ねスーパーヒーローの全員がスーパーマンに賛同し、世界を力で管理することを選びました。
そして今作では強大な力を持つブレイニアックが侵略に対抗し、平行世界の力を借りずにかつては争った間柄が再び協力して世界を守ることになります。スーパーマンと同郷で新たに物語に参加したスーパーガールを巧みに騙したワンダーウーマンや、スーパーマンを裏切ってヒーローに戻ったフラッシュ、反省して一から鍛え直したグリーン・ランタンといった気になる面々もいます。
宇宙からの侵略者に対して手を組むバットマンとスーパーマン。前作や前日譚コミックではヒーローとしての性質が完全になくなったスーパーマン。バットマン&スーパーマンのワールズ・ファイネストが奇しくも再結成したことで昔の面影を見出すバットマンでしたが、結局は二度と昔に戻れないことを突きつけられることとなりました。
二人を分けたのは「相手を殺すか否か」。ジャスティスリーグのメンバーにもやむを得ないと判断した場合には敵の命を奪うことにある程度の理解を示すヒーローは多くいます。ワンダーウーマンやアクアマンは王族や公的立場があることから一線を越えざるを得ないこともあるという考えを持ってもいますし、グリーン・ランタンは宇宙警察、フラッシュは警察の人間ですので敵を殺すことの必要性に理解を示すシーンもあります。